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3. Look at me only.【6/9】 ページ24

「何かあったのね?」

 Aの頭を優しく撫でるメアリーの手にまた泣きそうになりながら、Aは図書館でリーマスに会ってからのことを話した。メアリーは最後まで話を聞き終えてから口を開いた。

「じゃあ、リーマスを誘わないとね」

 メアリーに言われて、Aはパッと飛び上がってベッドの上に座り、メアリーに向かい合った。

「ちょ、ちょっと待ってよ、リーマスを誘うなんて……!」

「だって、リーマスのことが好きなんでしょう? 今のままじゃ何も始まらないわよ。ただの監督生仲間のままでいたいわけじゃないでしょう?」

「でも……フラれて気まずくなって、話せなくなるのは嫌……」

「だったら、惚れさせなさい」

 ぴしゃりと言い放ったメアリーの目は真剣で、Aは反論できなかった。Aにだってわかっている。

 シリウスが真剣に真っ直ぐAに向き合ってくれたのと同じくらい真剣に、リーマスに向き合うことが、シリウスの気持ちに対しても誠実な答え方になるのだと。

 わかっていて、二の足を踏んでしまうのは、Aが臆病だからだ。

「まったく脈が無いってわけじゃないと思うわよ。リーマスって誰にでも優しいけど、キャーキャー言って近寄って来る女の子の事は、遠回しな言い方はするけど、遠ざけようとする。でもコリーに対しては違うと思うわ。女の子として好かれているとまではいかなくても、嫌われてはいない。これからもっと仲良くなっていけるはずよ」

「ありがとう、メアリー……」

「どういたしまして。じゃあ、来週のホグズミードは、私はハンスと行くことにするわね」

 メアリーがパチンとウィンクした。Aが「ええ!?」と目を丸くすると、メアリーはキラキラした目で訴える。

「だって、コリーはリーマスかシリウスと行くわけでしょ? だったら私だってハンスとデートしたいもの! 今から手紙を書くわ!」

 メアリーは鼻歌を歌いながら上機嫌で自分のベッドの方へ戻っていく。

 本当は今までもハンスとホグズミードでデートがしたかったのだろう。Aに気を遣って、いつも一緒に行ってくれていたのだ。

 本当に嬉しそうにしているメアリーはなんだか輝いて見えて、Aは素直に羨ましいと思った。

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Helga(プロフ) - ハリネズミさん» コメントありがとうございます!嬉しいです。励みになります〜! (2020年5月10日 14時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ - 面白いです。更新楽しみにしてますー! (2020年5月7日 10時) (レス) id: 48ddc9040e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Helga | 作成日時:2020年5月1日 22時

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