2. I just wanna see your smile.【6/8】 ページ16
シリウスは自分の鞄の中から魔法薬学の教科書を取り出して、Aの目の前に振りかざした。
「教科書、見せてやるって言ったろ?」
「わかったよ……」
Aはとうとう反抗するのを諦めて、シリウスの隣の席に座った。
これが軽率な判断だったことに気づいたのは、グリフィンドールの男の子二人組が教室に入ってきて、シリウスに話しかけたときだった。
ジェームズ・ポッターとリーマス・ルーピンだった。机の下に隠れてしまいたい気分で、Aはうつむいた。
「パッドフット、朝からいったいどこに行ってたんだい?」
ジェームズが訊いた。
「彼女に会いに」
シリウスは平然としてAを示した。Aはぎくりと身を固くして、ジェームズがじろじろと見つめる視線から逃げたいと思いながら、ちらと二人の顔を見上げた。
リーマスがAに気づいて、朗らかに「やあ、コリー」と挨拶したので、ぎこちなく微笑んで答える。
「お、おはよう……」
「ハッフルパフの監督生と、どういう関係?」
ジェームズが興味津々に訊ねたので、Aは慌ててシリウスの顔を見た。マイケルたちの前で言ったことを、リーマスの前でも言うつもりではないかと、反射的に疑ったのだった。意外なことに、シリウスは「ただの友達」と答えた。
ジェームズは、赤毛の女の子が教室に入って来たので、たちまち声をかけに行ってしまった。声をかけられたリリー・エヴァンスは少し迷う様子を見せたが、ジェームズと並んで席に着いた。
リーマス・ルーピンはシリウスの向かいの席に座った。リーマスと話をする願っても無いチャンスだと思うのに、リーマスを前にすると、Aはあまりにも緊張してしまい、話しかけることもできなかった。
スラグホーン先生が教室に入ってきて、今日の課題を言い渡したので、生徒たちは各々の教科書を広げ、必要な材料の準備に取り掛かる。
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Helga(プロフ) - ハリネズミさん» コメントありがとうございます!嬉しいです。励みになります〜! (2020年5月10日 14時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ - 面白いです。更新楽しみにしてますー! (2020年5月7日 10時) (レス) id: 48ddc9040e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Helga | 作成日時:2020年5月1日 22時