1. Please call me Collie! 【2/10】 ページ2
毎年、各寮の五年生以上の生徒からそれぞれ男女一名ずつ監督生が選ばれる。ハッフルパフ寮からはAと、男子生徒はハンスが選ばれた。ハンスはハッフルパフで一番ハンサムだと有名で、同じくハッフルパフで一番の美人として名高いメアリーと付き合っている。
「よう、コリー!」
ばっ、と突然肩に腕を回され、Aは「ひゃあ!」と声を上げた。
「やめてよ、マイケル。心臓止まるかと思った」
「心配すんなって。心臓止まったらオレが人工呼吸してやるから」
「心臓が止まったら心臓マッサージでしょう?」
「え? あ、そっか、そうだな!」
マイケルが顔を赤らめた。
レイブンクローの監督生のマイケル・テイラーは、クィディッチ・チームのキャプテンも務める文武両道タイプだ。ハッフルパフ一番と呼ばれるのがハンスなら、レイブンクローといえばマイケルの名前が挙がる。
マイケルは明るく気さくなムードメーカーで、嫌いではないけれど、馴れ馴れしいところがAは少し苦手だ。Aは日本生まれの日本育ちで、欧州風のスキンシップには慣れてきたといえど、得意ではない。
肩を解放してほしいというAの願いはマイケルには通じず、そのまま引きずられるようにして、ハグリッドの小屋へ向かう羽目になった。
ハグリッドの小屋の前には、ハッフルパフのハンスと、グリフィンドールのリリー・エヴァンス、リーマス・ルーピンが集まっていた。
マイケルがようやく解放してくれたので、Aは気づかれないよう慎重に、ハンスに話しかけるという口実があるふりをして、そーっとエヴァンスとルーピンの後ろを回り、ハンスの隣に並ぶことに成功した。
「全員揃っちょるようだな」
小屋から出てきたハグリッドが五人の姿を見て頷いた。
「レイブンクローのスーザンと、スリザリンの二人が来てないわ」
エヴァンスが言った。
「スーザンは風邪気味なんだ。オレが二人分仕事するよ」
マイケルが答えた。
「スリザリンの奴らも病欠で来ねえ」
「病欠? 仮病の間違いじゃないかしら」
エヴァンスは不服そうだ。フロバーワーム退治に勤しむスリザリンの監督生たちの姿はまったく想像できないので、エヴァンスの推測は間違っていないのだろう。彼らは監督生である自分たちの役割を、気に食わない他寮の生徒に理不尽な理由をつけて減点する事だと思っているようだ。
1. Please call me Collie! 【3/10】→←1. Please call me Collie! 【1/10】
113人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Helga(プロフ) - ハリネズミさん» コメントありがとうございます!嬉しいです。励みになります〜! (2020年5月10日 14時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ - 面白いです。更新楽しみにしてますー! (2020年5月7日 10時) (レス) id: 48ddc9040e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Helga | 作成日時:2020年5月1日 22時