33.優しさ ページ33
とめどなく溢れる涙に私もサンジも驚いて、止めようと目元を擦っては溢れて、止まらなくて。面倒臭いから女だと思われちゃう、早く止まって。
「大丈夫か？どうした？どこか痛いのか？」
俯いた私の顔を無理やり自分の方へと向かせ、私の身長に合わせて少し屈んで指で私の涙を拭うサンジ。
なんでそんなに優しいの、私たちさっきまで喧嘩してたのに。
焦ったように私の涙を拭い続けるサンジ。昔から優しすぎるところがあった。悪になりきれないというか、道を逸れることが出来ないというか。
そこが良いところでもあり悪いところでもあったが。いつかその優しさが自身を滅ぼしてしまいそうで、また思いもしない涙が止まることを知らずに。
「おいおい、勘弁してくれよ……。」
なかなかに泣き止まない私に愛想を尽かしたのか、困ったように眉をひそめ頭をかく。
捲っていた袖を片方だけ元に戻して私の顔に押し付けてきた。少し乱雑にでも優しく、鼻水がつくのすら気にせず拭いてくれた。
「……やっぱちょっと赤くなっちまったな。悪い。」
強引に拭いたからか鼻や頬がひりひりとするが、贅沢だ。鼻をすすって、ご飯だよとだけ言うとダイニングに戻ろうとしたが。
ちょっと待って。急に呼び止められて、後ろを振り返った。右腕をふいに後ろへ引っ張られて、ぽす、と大きな腕の中に包まれる。
「さっきはごめんな、全部俺が悪いんだ。」
小さな子をあやす様に、私の頭を撫でながら。私はその暖かい腕の中に埋まり鼻をすすりながら、私も悪いと謝った。
仲直りできたことに安堵しまた涙が溢れそうになっているのを必死に堪えていると、抱きしめられていた腕が離された。
呆けていると口の中に苦い煙草の香り。目の前に長い睫毛。さらさらの金色。唇に柔らかい感触、触れられた箇所が熱い。
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珈琲屋(プロフ) - えりさん» えりさんわざわざコメントありがとうございます！こんなこと言える者でもないのですが、災害にはくれぐれもご注意くださいね……！ (2018年6月21日 0時) (
レス) id: c4813add24 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - よかったです！そんなに被害がなくて！（(*´v｀*) (2018年6月20日 23時) (レス) id: bf7b57301c (このIDを非表示/違反報告)
カー(プロフ) - 珈琲屋さん» こちらこそありがとうございます！楽しみにしてます！ (2018年5月20日 17時) (レス) id: e4298f3c08 (このIDを非表示/違反報告)
珈琲屋(プロフ) - カーさん» コメントありがとうございます！GOLD本当に大好きなので嬉しいです！サンジもゾロもみんなかっこいいですよね！あわわ、ありがとうございますっ…！これからも応援よろしくお願いします！ (2018年5月20日 17時) (レス) id: c4813add24 (このIDを非表示/違反報告)
カー(プロフ) - 私もGOLD見ましたよ！サンジくんかっこよかったですね！お話すごく楽しく読ませていただいてます！これからも更新頑張ってください！ (2018年5月20日 15時) (レス) id: e4298f3c08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珈琲屋 | 作成日時：2018年4月29日 2時
