藍沢先生の日常2

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泣き続ける藍沢先生は俺の胸に頭を埋めひたすら泣くだけ。




俺の服をギュッと握って俺がここにいることを確認してるようにも見て取れる。



名取「大丈夫ですよ。俺はここにいますから」


そう言って藍沢先生の背中になるべく優しく降れると少しだけだけどこわばっていた表情が緩んだ気がした。




しばらく藍沢先生の背中を撫でていると疲れたのか寝てしまっていて俺はそっと藍沢先生をベッドに戻した。




熱が上がってしまったんか額にはたくさんの汗がにじんでいて時に顔を歪めて苦しそうな表情を見せる。




藍沢「…や…だ……ぃ…ぁ……ぃ…ぇ」



寝ているのにさっきみたいに何か夢でも見ているのか魘されている藍沢先生。



なんて言ってるのかはっきりとは聞き取れなかったけど俺には「嫌だ、いかないで」そう言っているように聞こえたから藍沢先生の手を握って「大丈夫ですよ。どこにもいきませんから」そう繰り返した。







少し様態の落ち着いた藍沢先生を見ながらてを握り考える。



最近藍沢先生は……


脳外と救命を掛け持ってて……


よく知らないけど藍沢先生が脳外で担当していた患者さんに後遺症が残ってしまったらしい……



しかもその子は世の中から高い評価を得ている天才ピアニスト……



その件で藍沢先生が思い詰めていたのは救命のみんながなんとなく察していた。





救命でも藍沢先生が処置した患者が亡くなってしまった。



遺族はその場で泣き崩れて普段表情があまり変わらない藍沢先生もその時一瞬だけど見たことのないくらい辛そうな表情をしていたのを覚えている。


でもそれは藍沢先生が悪かったんじゃない……



助かる確率はかなり低かった……



もし助かっていたら奇跡だというくらい……



そのわずかな確率の奇跡が起こらなかった……





でも藍沢先生はそれさえも自分の力不足だと思い込んでいる。



やはり溜め込み過ぎて抱えきれなくなってしまったのだろうか？


そう考えれば藍沢先生が普段と違うこの状況にも説明がつく。



多大なストレスを感じて高熱を出して精神的な苦痛からこのような状態に陥っていると。




精神的にも不安定な事からこの見立ては間違っていないだろう。



そう思いながら今もなお、寝ている藍沢先生を見て



ずっと一人で大きいもの抱えてたんだな……


きつかったはずなのに……


そんなことを考えていた。

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