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顔色の悪すぎる藍沢先生を前に戸惑いながらも財布を渡すと「悪いな……」と言って受け取ってくれた。
けど今の俺の視界に財布の存在なんかなくて部屋に戻ろうとした藍沢先生を呼び止めた。
名取「藍沢先生!顔色悪いですけど大丈夫ですか?」
そう問うといつもの無表情で「問題ない」って言われて返す言葉に困っていると……
目の前にいた藍沢先生が急に眼をギュッと瞑って急に俺の方に倒れこんできた。
名取「え?ちょっと藍沢先生?」
そう言うと悪い……と言いながら扉につかまりながら元の体勢に戻る藍沢先生。
フラフラしてて危なっかしい。
名取「やっぱり……体調悪いんですよね……?」
俺がそう言っても何も言わない藍沢先生。
俺は藍沢先生がなにも言わないことをいいことに藍沢先生を部屋に戻し自分も部屋にお邪魔した。
とりあえず藍沢先生に寝室を聞いて半ば強制的に寝かせて買ってきた水を飲ませる。
藍沢「明日仕事だろ?もういい、帰れ」
本当はきついはずなのに考えてることは自分のことじゃなくて俺のこと。
名取「こんな状態の藍沢先生どうやって放って帰れっていうんですか!」
そう抗議してみるも……
藍沢「いいから、帰れ」
藍沢先生は「帰れ」の一点張り。
名取「なんでですか!?今日藍沢先生ずっと体調悪い中仕事してたんですよね?見たんですよ……藍沢先生が頭抱えてベンチに座ってるところ……見たことないくらい疲れた顔してて……」
名取「あんなに忙しくて膨大な量の仕事抱えて……ろくに寝ないし食事もとらない。完全にキャパオーバーなのにそれでも全部自分で背負って……」
藍沢「仕方ないだろ」
俺が今日、感じたこと、見たことを話している間、藍沢先生はずっと黙って聞いていたけど途中で口を開いたと思ったら出てきた言葉は「仕方ないだろ」
よっぽどきついのかベッドに横になり、少し顔をゆがめながらそういう藍沢先生。
そんな姿を見ると今まで口に出さず心の中だけにとどめておいたことを自分の口はいつの間にか口走っていた。
名取「仕方ないって……完璧じゃなくていんですよ。藍沢先生、いっつも資料もオペも絶対ミスがない。けど、そんな無理して完璧でい続ける必要はないんです!」
言い終わったところで、はっとした。
失礼なことを言ってしまったと……
急いで「すみません……なんか上から……」そう言いながら藍沢先生の表情を伺うとあっけにとられたような顔をしていた。
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明日香 - ぱやさん» コメントありがとうございます!応援してくださり、本当に嬉しいです。なるべく早く完結させられるように頑張ります。 (2019年9月15日 18時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
ぱや - 新型感染症シリーズ続き楽しみすぎて眠れません((o(´∀`)o))応援してまっっす!! (2019年9月8日 21時) (レス) id: c24ed78064 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 愛子さん» ありがたいことに、たくさんの方からリクエストをいただいていますが、遅くなってしまって宜しければリクエストは受け付けています。 (2019年9月8日 14時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - 今リクエストたまってますか? (2019年9月7日 12時) (レス) id: 0fe946f898 (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ぱやさん» コメントありがとうございます。夏休みにもかかわらず中々更新できず、すみません。更新可能な日は更新しますので楽しみにしていてください! (2019年8月16日 16時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
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