藍沢先生の日常2

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「大丈夫だからな」「ゆっくり息吸ってみよう」と声を掛けてみるがすぐに症状が治まることはなくてパニックを起こしている間にうっかり体に触れてしまったりなんかすれば更なるパニックを起こす。




1週間経った今も比較的落ち着いている状態の時に体に触れてもビクッと肩を震わす藍沢。




そんなことを考えていると精神科の先生が藍沢を落ち着かせてくれていて、これ以上の治療の続行は危険だと判断した先生によって今日のカウンセリングは終了した。









藤川「少しずつ、治していこうな」



そう努めて優しい声で伝えるとゆっくりと浅くうなずいた藍沢。




ゆっくりでいいんだ。少しずつ。


自分にも言い聞かせるようにして藍沢を病室まで送った。




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1か月後……


新海side



藍沢がPTSDと診断されたことを聞いてから約一か月。




今も藍沢は救命の一番端の個室に入院している。




救命の皆さんに聞く限りでは最近は会話は依然と変わらないくらいかわすようになり、藤川先生に肩を組まれたりしてもパニックを起こしたりをすることはなくなったらしい。




藍沢がPTSDになってからは俺や西条先生に対して回避症状を起こすためなるべく病室に行ったりしないようにしていたが最近は俺や西条先生を見て酷い回避症状を起こすことはなくなった。



まだ、隣に座ったり、話したりは難しいが1か月前と比べたらかなり症状は回復した方だろう。





悪夢によって魘されることも減って最近は時々、少しだけど笑顔も垣間見える。





確実に回復に向かっていることを確信して今まで張っていた気がふっと緩んだ気がした。






白石「精神科の先生から1週間後から少しずつ仕事をしてもいいって言う許可が出ました」


藤川先生と、冴島さんと藍沢の病室に顔を出してから廊下を歩いているとそう話しかけてきた白石先生。




新海「そうですか」



藤川「藍沢やーっと戻ってくるな」



冴島「1か月大変でしたからね」



白石「まずは救命では書類仕事くらいから初めてもらって勤務時間も午前中だけとかから始めようと思っています。脳外はどうされますか？」



新海「藍沢は……まだ脳外には復帰しない方が……」



冴島「いいんですか？藍沢先生いなくて……」



新海「確かにいないと困りますけど、脳外に対して回避症状が出ているので本人のためにもまだやめておいた方がいい気がします」



白石「そのこと、藍沢先生に確認とっておいていいですか？」



新海「お願いします」

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