藍沢先生の日常2

りょうちゃんさんリクエスト　PTSD ページ19

緋山side



藤川「しっかし藍沢の奴いきなりどうしたんだろうな？」



白石「うん。少し前まで普通だったのに」



緋山「まぁ新海先生が一緒だし大丈夫でしょ？」



冴島「そうですね」



そんな会話をしながら新海先生に言われた通り病室を確保して消毒やらなんやら色々準備しているとノックと共に病室に入って来た新海先生と藍沢。



藍沢は元々表情が乏しい。



けどいつもより一段と暗い藍沢の表情を私たちは見逃さなかった。



でも今聞いても何も言ってくれないだろうから処置を優先しよう、みんな思ったことは一緒みたいで……



冴島「藍沢先生、処置をするのでベッドに座ってください」



そう冴島が促すと何も言うことなく、トボトボと歩き大人しくベッドに座る藍沢。




いつもなら「処置なんか必要ない」って言ってこっちが無理するなと言おうものなら「無理なんかしてない」とあのツンデレ…ツン99％の藍沢は必ずそう言う。



いつもと様子の違う藍沢に少々違和感を抱きつつも藍沢の途中で終わってしまっていた腕や足の処置を施す。




私たちが藍沢の処置を進めるなか、新海先生は何かを考えるように藍沢を見ていた。




藤川「よしっ！処置完了！藍沢眠かったら寝ていいぞ」



藤川がそう言うも、藍沢は何の反応も示さずボーっとしている。




新海「藍沢、腹減ってないか？もうすぐ昼だけど」


そう藍沢になるべく明るく話しかける新海先生。



相変わらず藍沢からの返事は帰ってこないけど、そんなことは気にせず藍沢に昼ごはんを持ってくるなと言って病室を出て行く新海先生。




私たちも新海先生の後に続いて病室を出た。







藤川「藍沢、何も言わないな」



冴島「あんなことがあった後ですし、精神的に堪えてるんでしょう」



私たちがそんな話をする中何かを考えるようにして何も言葉を発さない新海先生。





「どうかしたんですか？」そう声をかけると新海先生は



新海「もしかしたら藍沢PTSDになりかけてるんじゃ……と思って」



そう少し自信がなさそうに言った。




緋山「PTSD……」



新海「PTSDには過覚醒(気持ちが高ぶること)の症状もあるじゃないですか？あの大声でかたくな拒否する態度、藍沢の普段の姿じゃ考えられないですし、落ち着いたと思ったら何も話さなくなったり……」




冴島「確かに……」



新海「けど、恐怖心から情緒不安定なだけでこんな大げさな話じゃないかもしれませんけど……」

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