藍沢先生の日常2

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その後……


俺たちの担当した患者はなくなってしまったが白石たちの方の患者は症状が吐血のみで輸血を行い何とか一命を取り留めたらしいがいつまた急変してもおかしくないという。



その患者だけじゃない。



他の患者だっていつ急変してもおかしくない。




今のところの流れとしては高熱、肺炎から脳症を起こして消化器官からの出血でなくなるというパターン。


つまり脳症を起こしたら、命の灯火が消えかけているということ。







モヤモヤした気持ちが晴れず、今日の当直は橘先生、灰谷、冴島だが俺たちも家に帰らず仮眠室で休むことにした。



休むといっても俺は寝付けずスマホで医学書を呼んでいるといつの間にか朝になっていた。









4日後


強い日差しで目を覚ました。


ぼんやりとする視界で起き上り仮眠室にいたことを思い出す。





脳外と掛け持っている俺は脳外の仕事もこなさなければならず、救命の感染症患者の事で忙しいため仕事が終わらず泊まり込んでいた。




どのくらい寝られたかなんて考えることも面倒くさい。




起き上って医局に行くと誰もいなくてなんとなくテレビをつけて見る。




すると朝の情報番組が放送されていて、ちょうどあの感染症についての報道をしていた。




未だ治療法が見つかっていないこと、新型の感染症だと思われること……




流れているニュースの内容は当たり前だがもうすでに把握していることばかり。




ただでさえ、目の前で患者が亡くなるのに、これ以上見たくないと思いテレビを消すと医局に橘先生をはじめ、白石たちが出勤してきた。




冴島「おはようございます。早いですね？また泊りですか？」


そう聞いてくる冴島に「あぁ」とだけ短く返すとそろそろカンファレンスの時間になるため医局を出た。






今日のカンファレンスの内容は言うまでもない、新型感染症の事。




あの日から5日も経ったというのに治療法が見つからない。



その上、運ばれてきた患者7人のうちの5人はこの5日の間になくなった。





しかも橘先生によると他の病院に搬送された10人のうち9人は亡くなったらしい。









緋山「今この新型感染症でなくなった患者は17人中14人……」



藤川「なんだよこれ……」



白石「今わかっているのは17人全員が男性であるってことくらい」



冴島「エボラでもないし、インフルエンザでもない……なんで……」




そう考えているといつの間にか30分ほど経っていてそれぞれラウンドやオペなどに向かった。

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