人には人を、妖には妖を (ページ7)

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親子ページ7

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少しばかり家を出てた間に、我が家はどうやら賑わっていたらしい

「Aは親父さんの元の姿知ってるの！？」

猫娘が身を乗り出して聞いてきた

『な、なんじゃ藪から棒に…
そりゃ昔からの仲じゃぞ、知っておるわ』

「かっこよかった？」

『はて、どうだったかのぉ、マヌケな顔じゃった気がするがなぁ』

「九尾」

『冗談じゃそんな顔するな親父、今のお主は愛くるしいわい』

ムスッとした顔をしてるであろう目玉をツンと弾く、愉快愉快

しかしそんなに気になることなのか、こやつの元の姿が

「会ってみたかったです、その頃の父さんに」

鬼太郎が不意にそんなことを零した

そうか。この子は親の顔も知らぬのか。

そうじゃよな、わしは"母親"じゃないものな

『…して、猫娘よ、なぜ急にそんなことを？』

「まなに聞かれたのよ、私としても気になるところだったし」

『なるほど』

親父の昔の姿か、どんな顔だったか良く思い出せない

気づけばあの時の姿を知っているものは少なくなっていて、わしも老いが来たのか記憶力が曖昧だ

しかしわしにはわかる、この記憶だけは忘れてはならないと