人には人を、妖には妖を (ページ5)

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人の子ページ5

A視点

今日はまな殿と会う約束をしていた

何やら手伝って欲しいことがあるとか…

「お願いAさん！私の彼氏役やってくれないかな！？」

『彼氏…？わしがか？』

「ほら、Aさん妖術で姿変えれるでしょ？
前男性になった姿も見せてくれたし、お願い！」

手を合わせてこちらに頭を下げてくる、わしは神でもなんでもないからやめて欲しいが…

『なぜ彼氏役を欲する？』

「実は駅前にできたパンケーキ屋さんでカップル限定メニューが出てまして…」

なるほど、要するに良いように使われてると

『わしが恐ろしい妖怪とわかっての行動か』

「うっ、百も承知です…」

『…まぁよかろう、そのぱんけぇきとやらに興味がある』

「食べたことないの？」

『猫娘がぼやいていたのを聞いたことがある程度じゃ、実際は食べたことない』

心底驚いたといった様子で見てくる
仕方なかろう、最近まで人の世に出ていなかったのだから

『さて、では…お主の好みの男の姿にしてやろう
どんなのがよい？』

「えっ！？そ、そんな…適当でいいよ〜」

『適当で良いならわしじゃなくとも鬼太郎を連れて行けばよかったろうに』

「た、確かに…うー、じゃあ！身長の高い人は！」

まなが言ったように長身の男に姿を変えてみせる

金髪は目立つだろうから黒髪の落ち着いた感じの髪色にもした

『ふむ、こんなもんか』

「やっぱAって顔いいね惚れちゃうよ」

『ふふん、これも昔の努力の賜物よ』

「じゃあ早速行こう！！」

『あちょっ、老人を走らせるでない！』

まなはわしの腕を強く引っ張り、噂の駅前のぱんけぇき店へと連れていった

作戦は上手く行き、見事ぱんけぇきを食べることが出来た
甘ったるがったがなかなかいける、今度鬼太郎と来るとするか