人には人を、妖には妖を (ページ3)

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犯人ページ3

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日が傾き、町は夕焼けのオレンジに染まって言った

「そういえば最近、あの人帰ってきませんね」

「あいつは昔からそういうやつじゃ」

「…そうですか」

ここ一週間見ていないあの人の顔、以前からたまに家を空けることはあったが、1週間ともなると心配になる

「変なことしてなければいいんですけど」

夕焼けも消え、次は紫色に変わっていく空

急に大人な雰囲気になる町はどうもおちつかない

ピンッと妖怪アンテナが反応した、微弱な妖気

「む、鬼太郎！あれを見よ」

「あれは…」

1人の女が会社帰りの男に声をかけていた

間違いない、妖気はあそこからだ

「後を追います」

こっそりと後を追うと、女と男性は路地裏へと入っていった

一瞬、妖力が一気にぐんと上がった

急いで路地裏へと駆け込み、人影に寄る

「待て！その男性をどうする気…」

感じ取った妖気の先には先程の女性とは違う女性の姿があった

綺麗な金髪に、綺麗な顔、

琥珀色の瞳は吸い込まれそうになるほど美しい

そして何よりの特徴は、

「…何やっとるんじゃ、九尾」

『…ゲッ、親父…と、鬼太郎』

頭に生えた獣耳と、九つの尾

「…お前が、今回の事件の犯人なのか」

『あはは…お小遣い稼ぎじゃよ、お主らの生活費稼ぎ…

な？』

苦笑いするこの人は、僕のお義母さんだ