人には人を、妖には妖を (ページ11)

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プレゼントページ11

【鬼太郎視点】

『鬼太郎、少し出んか』

「はぁ…どこへ？」

『なに、少し散歩じゃよ』

初めはしとしとと少しだけ雨が降っていた

どこからか帰ってきた九尾がはしごの下でそんなことを言ってきた

雨だからあまり気分は乗らなかったが、珍しい彼女からのお誘いだったためそのまま外に出た

『親父はどうした？』

「おばばたちと温泉旅行らしい」

『なに！？あやつらまたわしを置いていったな！』

「家にいない九尾が悪いんだろ」

『ふむ…確かに言えておる…』

九尾は最近家にいない、色んな場所を歩いて回っているようだが誰一人として詳細は知らない

夜には帰ってくるが、昼間僕が起きると既に居ないことが多い
彼女のことだから心配する必要ははないだろうけど

『おぉ！あったぞ鬼太郎！』

「はぁ」

人間の街に出てどこへ行くかと思えば、商店街にあるお店のマグカップを手に取った

「何故またマグカップなんか…」

『うむ、このまぐかっぷ、ぺあるっくといってだな
この片方をお主にやる』

「なんで僕？」

『親父にやったところで風呂として使われるだけじゃ
それならばお主に使わせたい』

「…わかった、買おう」

相変わらずなにを考えているか分かりづらい

しかし、彼女が望むならそれを聞くのが僕の役目だろう