八話 両親の色 ページ9
スモーカーside
Aからのふざけた呼びかけに応じて来てみれば、男3人が動けず地面に転がっていた。
部下達が手錠をかけ船に運ぶのを横目に、周りを見渡す。
ス「…たしぎ、ここを少し任せてもいいか」
た「！もちろんです、スモーカーさん。Aさんを…探したいのでしょう？」
ス「…すまねぇな」
た「お気をつけて」
Aとの付き合いは長い方だった。
周りと何処か距離を置いているAも、俺には心を開いているように感じていた。
だからこそ、任務を終えて、Aが出ていったと聞かされた時は驚いた。
アイツはそんな話を一度も俺にしたりしなかった。
ーー【大丈夫だよ。自分の命惜しさに力を使ったりしないから。じゃあ、あとよろしくね！】
久しぶりに聞いたAの声が思い出される。
そんなことを、俺は心配してるんじゃねぇよ。
やっぱりバカだな、あいつ、と心の中で思いながらAを探した。
ーーー
『ねぇ、坊や。この写真を撮ったのは貴方？』
男達とのやり取りを陰で見ていた少年を捕まえた。
少年は後退りながら小さな鞄を大事そうに抱いていた。
『別に怒ってないよ。ただ勝手に撮られてばら撒かれるのは色々と不都合なんだ。だから写真を処分してほしいだけ』
「…ご、ごめんなさい…お、俺、ただお姉さんが珍しい紫色の目をしてて…それですごく綺麗だったから思わず撮っただけで…悪い人たちに渡そうなんて…ッ」
震えながら言葉を紡ぐ少年と、同じ目線にかがみ、頭を撫でた。
『ありがとう、嬉しいよ。この目の色はね、お父さんとお母さんの色を合わせた色なんだ。私にとって、私がお父さんとお母さんの子どもだって事を証明してくれる数少ないものなの』
私の話を聞いているうちに少年の震えは止まり、じっと私の目を見つめていた。
そして鞄の中から一枚の写真を取り出し、私な方へ差し出した。
「お姉さんの写真は、あの写真以外ではこの一枚だけだよ」
その写真には並んで歩くエースと私が写っていた。
目を細めて楽しそうに笑う私がそこにはいた。
「こっちの写真のお姉さんの方が綺麗で輝いてるよね」
『…いい写真だね』
「これはお姉さんに。処分するかどうかはお姉さんの好きにして？…勝手に撮ってごめんなさい」
『いいんだよ。私も怖がらせてごめんね。写真、大切に取っておくよ』
少年に手を振り返しながら私はまた歩き始めた。
写真をしまった懐がなんとなく暖かく感じた。
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もえぎ(プロフ) - コメントありがとうございます！複雑なストーリーとなっていますので最終的にどうなるかはまだはっきりしていませんが、その可能性は大きいです！ (2023年4月23日 21時) (
レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - この小説はトラファルガーローオチですか？ (2023年4月23日 19時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
もえぎ(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！気づかなかったので助かりました！ (2023年2月5日 12時) (レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - お/り/ふ;らたってますよ (2023年2月5日 10時) (レス) id: 6328f81305 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ‘フラ立ってますよ！ (2023年2月5日 9時) (レス) @page1 id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえぎ | 作成日時：2023年1月16日 0時
