五話 消えない言葉 ページ6
やっとご飯を食べ終えて店を出る私たち。
結局、エースが食べた大量のピラフ分は彼が払ってくれた。
持ち金は少なかったが、払えない額ではなかったから私が払うと言ったけど、エースは強引に会計を済ませてしまった。
『！この乗り物、エースのだったんだ。珍しいね』
エ「お？あぁ、俺様のストライカーだ！どうだ？カッコいいだろ？」
『まぁね。でも見なよ、私の水上バイクもなかなかでしょ？』
エ「…こりゃ凄いな。だが、これは原型とどめてねぇだろ？」
『よく分かったね。元は何処にでもあるやつだったんだよ？でもある時に爆発に巻き込まれてだいぶやられちゃってさー』
エ「ちょっと待て、A。一般人は普通爆発に巻き込まれねぇだろ！」
『んーまぁおいおい話すよ。それより次の予定は決まってるの？』
エ「…いや、特にはねぇな」
はぐらかす私に、エースはそれ以上聞いてこなかった。
それからお互い乗り物で海に出た。
エースのストライカーは彼の能力を原動力にして動いているようで、乗り物好きな私にはとても魅力的に映った。
『ありがとう、エース』
エ「お？何だ、メシのお代のことなら気にすんなよ。俺がほぼ食ったんだからな！」
『ふふっ、その話じゃないよ』
エ「あ？違うのか？」
一緒に海を見ようと言ってくれたこと、本当に嬉しかったから。
『何でもなーい！ほらほらエース、私のスピードに付いてて来れるかなー』
エ「んだとA！俺が負けるわけねぇだろ！待ちやがれ！」
ーーとある海の上にてーー
黄色い潜水艦がぷかぷかと海面に浮かんでいる。
そのデッキの所に白くまとふかふかの帽子を被った隈のある男がいた。
べ「キャプテン、何か考え事？」
白くまが男に向かって喋りかける。
ロ「…あの女…」
べ「女？…あぁ！もしかしてシャボンディ諸島で話してた綺麗なお姉さんのこと？」
ロ「あの女、俺を知ってる風だった」
シャ「えぇ！キャプテン覚えてないんすか！？あんなかわい子ちゃんのこと忘れちまうなんて！それでも男ですか、アンタは！」
急に顔を出し熱烈に語り出した男を他所に、キャプテンと呼ばれた男は考えを巡らしていた。
こんなにも先程出会ったばかりの、まして素性も知らない女を気に留めるのは初めてだった。
ーー『君は今幸せ？』
あの時、女が放った言葉が男には強く残っていた。
ロ「…オマエはいったい誰なんだ？」
騒がしい海の上では男の呟きは誰の耳にも届かなかった。
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もえぎ(プロフ) - コメントありがとうございます！複雑なストーリーとなっていますので最終的にどうなるかはまだはっきりしていませんが、その可能性は大きいです！ (2023年4月23日 21時) (
レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - この小説はトラファルガーローオチですか？ (2023年4月23日 19時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
もえぎ(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！気づかなかったので助かりました！ (2023年2月5日 12時) (レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - お/り/ふ;らたってますよ (2023年2月5日 10時) (レス) id: 6328f81305 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ‘フラ立ってますよ！ (2023年2月5日 9時) (レス) @page1 id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえぎ | 作成日時：2023年1月16日 0時
