十四話 優しい船長 ページ49
ロ「おい、風邪引くぞ」
声をかけてもAは綺麗な寝顔に規則正しい寝息を繰り返す。
俺は仕方なく彼女をそっと抱き上げた。
ロ「なぁ、A」
オマエは俺のことを恨んでいるのか？
俺を殺すために近づいたのかもしれねぇ。
それでもかまわなかった。
どんな理由であれ、恨まれていようと、Aが生きているという事実が俺は嬉しかった。
ロ「17歳…か」
Aの顔にかかる髪の毛を、サラっとひとなでして避ける。
今まで、どんな風に生きてきたんだろうか。
どんな人間に囲まれて大きくなったんだろうか。
ロ「A…」
ずっと会いたかった。
でも、それと同時に、怖かった。
ロ「…すまねぇ…ッ…A…俺は…」
謝っても仕方ないのはわかっている。
許してくれなんて思ってない。
ただ、謝らずにはいられなかった。
Aを部屋まで運び、ベッドにそっと下ろした。
彼女の柔らかい金髪がふわっと広がる。
髪はコラさん譲りだが、透き通るように白い肌と、上品で血色の良い唇、綺麗に通った鼻はAさん似だ。
そして目は、コラさんの紅色とAさんの蒼色を混ぜた紫色。
紛れもなく二人の子だ。
俺はAの頭をそっと撫でて、ドアの方へ歩き出す。
ロ「Aだけは必ず守ってみせる…見ていてくれ、コラさん、Aさん」
俺はそっとドアを閉めた。
ーーーーーー
NO side
べ「Aー！朝だよー！」
ノックの音と共に元気なベポの声が船内に響く。
『…ベポ…おはよ。朝から元気だね』
ゆっくりとドアを開けて出てきた女は、まだ眠そうな目で伸びをした。
ベ「ブッ！A、髪の毛がすごいことになってるよ」
『癖っ毛だから寝起きは仕方ないの…部屋まで来た記憶ないんだけど、もしかしてベポが運んでくれた？』
ベ「いやいや！だって俺たちが寝ちゃって、片付けしてくれたのはAだって、キャプテンから聞いたよ！ありがとね！毛布までかけてくれてさ！おかげで朝までぐっすりだったんだ！」
『…ということは、もしかしてローが運んでくれたのかな？』
ベ「キャプテンはああ見えてすごく優しいからね！」
『そっか、じゃあ後でお礼言わなきゃね。お風呂入ってから皆んなのところに行くから、ベポは先行ってて？』
ベ「わかった！また後でね〜！」
Aはベポに手を振ると風呂場に向かって歩き出した。
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もえぎ(プロフ) - コメントありがとうございます！複雑なストーリーとなっていますので最終的にどうなるかはまだはっきりしていませんが、その可能性は大きいです！ (2023年4月23日 21時) (
レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - この小説はトラファルガーローオチですか？ (2023年4月23日 19時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
もえぎ(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！気づかなかったので助かりました！ (2023年2月5日 12時) (レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - お/り/ふ;らたってますよ (2023年2月5日 10時) (レス) id: 6328f81305 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ‘フラ立ってますよ！ (2023年2月5日 9時) (レス) @page1 id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえぎ | 作成日時：2023年1月16日 0時
