三話 ピラフ ページ4
エ「Aは何しにこの島に来たんだ？」
目の前で何十杯目かも分からないピラフを頬張りながら話す火拳。
先程のお礼にと食事を奢ってあげることにした、数刻前の自分を殴りたい。
『…家出してきたの。特に行くあてもなかったし、適当に辿り着いた島に上陸しただけだよ』
エ「家出少女か！」
『何か嫌だな、その言い方』
またおかわりを店員さんに注文している彼をよそに、私は自分の分のピラフを口に運ぶ。
『火拳…エ「エースだって！」
『…エースこそ、一人で何してたの？』
名前で呼ぶことを強制する彼はどう見ても自分より年上の有名海賊だとは思えない。
エ「俺は、ある男を追うために船を離れてる。けじめをつけねぇとならないからな」
いきなり真剣な顔をしたエースに、スプーンを運ぶ手が止まる。
『エースはきっといい人なんだね』
エ「は！？」
そう言うと顔を真っ赤にするエース。
やっぱり子どもみたい。
エ「なぁ、Aはこれからどうするんだ？オマエの事情は知らねぇから、家に帰れとも言わないが…」
『帰るつもりはないよ。何も計画立てずに出てきちゃったけど、いつかは離れるつもりだったから』
ーーーー
ク「やめろって言ってんでしょ、A」
『やだ！邪魔しないでよ！私はもう死にたいの！』
ク「まだ10年やそこらしか生きてないガキが、そんなこと言うもんじゃないよ」
『クザンには関係ないでしょ！？親でもない癖に！』
ーーー
『！！…エース？』
昔のことを思い出していると、突然頭に大きな手が乗せられた。
ぽんぽんっと少し強い力でエースは私の頭を撫でた。
エ「Aも色々あったんだな。でもな、A。海には色んな奴らがいる。きっとAも、胸を張って仲間だと言えるような奴らに出会える。俺がそうだったようにな」
『エース…』
エ「俺はティーチを見つけたらけじめをつけなきゃならねぇが、それまで一緒に海を見てみないか、A」
きっとエースと一緒にいけば、楽しいと思う。
私は彼の差し出した手に、自分の手を伸ばそうとする。
ーー「オマエはいらない子だったんだよ！そんなこともわかんねぇのか？」
ーー「かわいそうに。他人の子のために実の子なのに捨てられたんですって、この子」
ダメだ。
ここでエースの手を取れば、クザンから離れた意味が無くなってしまう。
私は誰かと一緒にいちゃいけないんだ。
そう思って手を引っ込めようとすると、エースに掴まれた。
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もえぎ(プロフ) - コメントありがとうございます！複雑なストーリーとなっていますので最終的にどうなるかはまだはっきりしていませんが、その可能性は大きいです！ (2023年4月23日 21時) (
レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - この小説はトラファルガーローオチですか？ (2023年4月23日 19時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
もえぎ(プロフ) - ご指摘ありがとうございます！気づかなかったので助かりました！ (2023年2月5日 12時) (レス) id: 5993720d1e (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - お/り/ふ;らたってますよ (2023年2月5日 10時) (レス) id: 6328f81305 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - オリ‘フラ立ってますよ！ (2023年2月5日 9時) (レス) @page1 id: 40f7098858 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえぎ | 作成日時：2023年1月16日 0時
