四十八話 高身長男 ページ49
『わー！賑やかな街ね！』
コ「ここなら医療も十分に発展してそうだな」
ロ「本当に行くのか、コラソン…」
コ「当たり前だ、ロー！Aは本当に来ないのか？」
『えぇ、食糧が尽きちゃったし、買い溜めておかないと』
コ「そうだな、くれぐれもフードを取るなよ？それから無茶も絶対するな」
出航して一週間、私たちはようやくある街へ上陸した。
ローとロシィは病院に行くが、私は別行動をすることにした。
ロシィは私の話を聞いても、オペオペの実を手に入れるまで何もしないという訳にはいかないらしかった。
私ももしかしたら良いお医者さんに出会えるかもしれないと思い、彼の意見に同意した。
そして私は一人、街の中心部に移動した。
『本当に賑わっているのね』
人口は多く、商店街には店が沢山立ち並んでいた。
「おいそこの人！旅のお人かい？今日は良い品が入ってるぜ？買ってくかい？安くしとくよー！」
『あらどれも美味しそうね、頂くわ。それと一つ、聞きたいことがあるのだけど』
一通り買い揃え、大荷物になった私は人当たりのいい店主に尋ねる。
『この街で旅人や商人がよく泊まるホテルは何処かしら？』
カランッカランッ
「いらっしゃいませ」
店主に教えてもらったホテルの近くにあるバーを訪れた。
そして一人でお酒を飲んでいる男の隣に座った。
「何に致しますか？」
『お酒はあまり得意ではないの。お冷を頂けるかしら』
「かしこまりました」
マスターと思われる男が丁寧にお辞儀をして店の奥の方へ姿を消したのを確認して、私は隣の男を見る。
細身だが鍛え上げられた身体をしているのがわかる。
猫背で座っているから正確には分からないが、ドフィに近いくらいの身長がある。
「なぁーにじろじろ見てるの、お姉さん」
『！！お気に触ったのならごめんなさい。貴方はここの国の人？』
「いんや、ちょっと休暇で遊びに来ただけだ。お姉さんこそ、こんな時間に一人でここに来るなんて物好きだなぁ」
『私は旅人なの。オペオペの実を手に入れるために旅をしているわ』
私がそう言うと、男は一瞬驚いた表情を見せたがすぐにお酒の入ったグラスに視線を戻した。
「まぁなんだ、それはまた、物好きだなぁ」
『単刀直入に聞くけど、オペオペの実について何か知っていることがあるなら教えてくれないかしら？』
すると男は、今度はお酒から手を離し、私の方をしっかり見た。
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作者名：もえぎ | 作成日時：2022年11月3日 19時
