四十七話 手紙 ページ48
ドフラミンゴside
「アレは俺が大金積んで買った奴だ！俺がアレに何をしようが全て許される！貴様も毎日楽しんでいるんだろ！？教えてやろうか？俺がアレに何をし」
シュパッ
ド「ゴミが、喚くんじゃねぇよ」
静かになったことを確認するとすぐ歩き出す。
Aを昔、酷い目に合わせた奴らはこれでもう全員始末した。
Aは今が幸せだからいいとそう言っていたが、俺は許すつもりはなかった。
Aは出会っ時も、酷いことをされたはずなのに俺にアイツらを殺さないでくれと頼んできた。
その時は殺さないと返事をしておいたが、そんな選択肢は俺にはなかった。
Aは昔のことを考えないようにしているのだろうが、悪夢に魘されるAをよく見る。
苦しそうに涙を流して眠っているAを見るのは辛かった。
ゴミ共を始末していることはAには言っていない。
アイツは俺が人を殺すことを望んでいないからな。
ド「トレーボル、用は済んだ。帰るぞ」
Aに勘づかれないように返り血を綺麗に拭き取り、船がアジトへ着くのを待つ。
帰った時のAの出迎えを、俺は心待ちにしていた。
ド「A、帰ったぞ」
扉を開けると夕食のいい匂いが漂ってくる。
Aはいつもは玄関まで出迎えに来てくれるが、夕食の支度で手を離せないのだろうと考えた。
ド「A」
名前を呼びながらキッチンへ入るが、俺の予想していた彼女の姿はなかった。
うまそうな料理が綺麗に並べられ、ラップがされている。
ド「A！」
妙な胸騒ぎがして俺は乱暴にAの部屋の扉を開けた。
そこにもAの姿はなかった。
一気に血の気が引くのが自分でもわかる。
Aがいつも本読む時に使う机に、手紙が置かれていた。
俺は震える手でそれを掴み、目を通す。
【愛する皆へ
お別れも言わず突然お家を空けること、お許しください。私はローとコラソンとしばらくの間旅に出ます。ローの病気を治す旅です。コラソンには反対されたけど、私のわがままで着いていきます。ドフィ、きっと貴方がこれを読んでいることと思います。私の部屋に勝手に入るのは貴方だけだもの。ごめんなさい、ドフィ。今日はお出迎えできそうにありません。貴方は怒るかな、私が勝手に出ていったことを。でも、私は絶対にローの病気を治したいの。だからごめんね、行ってくるね。
Aより】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もえぎ | 作成日時：2022年11月3日 19時
