【ONE PIECE】運命に抗って (ページ35)

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三十四話　興味ページ35

コンッコンッ

扉を叩く音で我にかえった。

俺は素早く体勢を整える。

少女もスッと起き上がり、涙を手で拭っていた。

「ドフラミンゴ様！お待たせしてすみませんなぁ！少々トラブルがありまして」

オーナーの男が俺にヘコヘコしながら部屋に入ってきた。

「A、オマエは向こうに下がっていろ。」

男が低い声で命令すると、少女はビクッと肩を揺らして早足で去っていった。

「では、ドフラミンゴ様、今日の取引なのですが…ド「あの小娘は何者だ？」

今の俺には取引なんてのはどうでもよかった。

俺の興味は完全にあの少女に移っていた。

「これはこれは、お気に召されましたか！まだ子どもですが、不吉なまでの美しさがアレの価値を吊り上げている。なんせ幼い頃から金持ちに買われ、それ以上の金持ちにまた買われを繰り返してきた奴ですからねぇ。いやぁ、今回アレが手に入ったのは幸運でしたよ！はっはっはっ！」

目の前の男の話から、あの少女が今までろくな人生を送ってこなかったことが容易に分かった。

まるで金持ち達の装飾品かのような扱い。

だからなおさら、俺はあの少女に惹かれた。

立ち上がり、出口の方へ歩く。

「ド、ドフラミンゴ様！取引の方は！」

ド「んなもんより手に入れたいもんが出来ちまってなぁ、すまねぇがその件はチャラだ」

パタンッ

「…ッ！クソヤローが！」

背中越しに聞こえる男の荒々しい声を他所に、俺は店を出た。