【ONE PIECE】運命に抗って (ページ27)

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二十六話　辛い過去への旅ページ27

ドフラミンゴside

Aが部屋を出ていき、しばらくしてシャワーの音が聞こえてきた。

ーーー決めたの、私必ずやり遂げてみせるーーー

A、オマエは何を抱えてるんだ？

俺はオマエを救えねぇのか？

ベッドから起き上がり、サングラスをかける。

喉を潤すために机に置いてあるワインを飲む。

朝、珍しく起きてこないAを起こしに向かったとき、違和感を感じた。

Aがコラソンに抱きついたときもそうだった。

Aが楽しみにしていた祭りをあっさりやめたときも、俺がアイツらを殺しにいくのを引き留めたときも、まるで全てを知ってて、それを回避しようとしているようだった。

何故だ？何故オマエは何も言わねぇんだ。

俺はそんなに便りねぇのか？

何がオマエをそんなに苦しめる！

ふと、昔の記憶が蘇る。

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「あの子が口にしたのは、死んで初めてその能力を発揮する悪魔の実さ」

Aをファミリーにすることを決め、彼女を連れて出港するという時、腰の曲がったババアが話しかけてきた。

「かわいそうにねぇ、死んだ時、一番後悔して苦しかった過去へ戻るのさ。今までの記憶のままでね。誰かに裏切られて死んだんなら、そいつに出会う前へ。一見、死を回避できそうに思うだろうが、人間ってのは結局同じ運命を辿るものさ。死ぬほど辛い後悔を二度味わうだけさ。かわいそうな子よ。あの子の人生には暗がりが多すぎる。さて、何処へ戻ってくるのだろうね。出来れば今あたりがいいだろうね。辛い人生を最初からやり直すなんて酷さ。もし、あの子が戻ってきたら、次はもっと早く見つけてあげておくれよ。」

ババアは言いたいことだけベラベラ喋ると、暗い路地の方へ消えていった。

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ババアの言うことが本当なら、Aはいつかの未来で死に、ここに戻ってきた。

だがそれは、Aが死の淵で後悔したということだった。

ド「A…」

俺は手に持っていたワイングラスを床に叩きつけた。

床を赤く染める。

ド「俺はオマエを幸せにしてやれなかったのか…？」

俺の声は誰にも届かず消えた。