【ONE PIECE】運命に抗って (ページ23)

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二十ニ話　結局ページ23

倉庫のに入った瞬間、先程の埃っぽさに変わり、血生臭い匂いが鼻をつく。

ピチャっ

足元は血の海と表現するのがふさわしい有様だった。

『ドフィ…』

あぁ、間に合わなかった。

遅かったんだ。

ド「A…何故戻ってきた」

横たわる死体の中に返り血を浴びたドフィがいる。

彼はこちらを振り返らず、そう言った。

涙が溢れる。

動く方の手で何度も拭うが、間に合わない。

ドフィがゆっくりこちらへ歩いてくる。

涙のせいで、彼の姿がよく見えない。

ド「A」

彼は穏やかな声で私の名前を呼ぶと、私に手を伸ばす。

でも、彼はその手を引っ込めた。

ド「A、俺が怖い？」

私はそんな悲しそうな貴方を見たくなかったのに。

『怖くないわ…！怖くないっ！違うのっ、涙が止まらなくてっ』

ド「…A」

『ドフィっごめんなさい、私、何もっ！』

ド「何も言わなくていい、A。オマエはゆっくり休まなきゃならねぇ」

そう言うとドフィはピンクのファーコートを私に被せた。

そして、コートごとドフィに抱きかかえられ、家に帰った。

きっとコートを被せてくれたのは、私に血がつかないようにするためと、泣き顔を隠してくれようとしたためだと思う。

ドフィ、やっぱり私は貴方にロシィを殺してほしくない。

そう思いながら目を閉じた。

ドフィの匂いがして、何だか少し変な感じがした。