【ONE PIECE】運命に抗って (ページ21)

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二十話　決断ページ21

『コラソン！下ろして！』

コ「大人しくしてくれ、A！致命傷ではないとはいえ、Aの治療が最優先なのは俺も同意見だ！向こうのことはドフィに任せろ！」

私がドフィの元へ向かおうとするも、ロシィにしっかり抱きかかえられているため逃げ出せない。

『ドフィはあの人達全員殺すつもりよ！』

コ「そうかもしれねぇが、オマエを傷つけた奴等だ！」

『だからって死んでもいい理由にはならないわ！』

コ「っ！前から言おうと思っていたがA、ドフィは簡単に人を殺すやつだ！オマエの綺麗事なんて通用するやつじゃない！」

『！！！』

彼に怒鳴れたのは初めてだったから驚いた。

そんな私に気づいて、彼は申し訳なさそうな顔で私の頭を撫でた。

コ「分かってくれ、A」

『コラソン…』

何が正解なの？

私は…どうすれば…

ロ「Aー！！」

聞こえるはずのないローの声に、私もロシィも目を見開いた。

『ロー！？どうしてここに… ロ「Aには言いたい事が山ほどあるが、今は治療が先だ。少し痛いだろうが我慢してくれ」

そう言うと、手際良く持っていた救急箱から医療器具を取り出すロー。

私はされるがままにローに処置を任せた。

数分のうちにしっかり包帯で止血された自身の腕と脇腹に感動した。

『…ありがとう、ロー、それと…部屋では気絶させてごめんなさい…』

ロ「別に…Aが無事ならそれでいい…」

相当心配してくれたのだろう、私の手を握るローの手が小さく震えている。

こんな私を大切にしてくれるあなたたち。

ねぇドフィ、やっぱり私はまだあの恐ろしい過去を忘れられない。

あの頃を夢に見るたびに、いつかこの幸せも壊れてしまうんじゃないかって、そう思うとたまらなく怖かった。

だから決めたの。

後悔はもう沢山だから。

『ごめんなさい、ロー、コラソン。私はドフィと帰るから、先に帰っててもらえるかしら。出来ればお風呂のお湯を沸かしておいてほしいの』

ロ「！？A！」

私はローとロシィに捕まる前に、さっきロシィに担がれて来た道を戻る。

後ろを振り返ると、派手にこけたロシィとその下敷きになっているローが遠目に見えて、思わず笑ってしまった。

そして、倉庫の前まで来ると、一度深く息を吸って、足を踏み入れた。