【ONE PIECE】運命に抗って (ページ16)

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十五話　弱点ページ16

コラソンside

今日はドフィが取引のため留守にしていた。

Aが体調がすぐれないという理由で、大切な取引を蹴ろうとした時には、正直驚いた。

俺がドフィの元へ戻った時、すでに彼女はいた。

初めて彼女を見た時、息をするのを忘れた。

胸元まで伸びた艶のある真っ直ぐな黒髪、それがよく映える雪のような白い肌、透き通り何の曇りもない青い目、目元と口元にある黒子と上品な唇が色気を感じさせる。

まだ二十歳前後くらいであろう彼女は、この世のものとは思えないほど美しかった。

最初はドフィの女のうちの一人だろうと思っていた。

ファミリーに入ってすぐに分かったが、ドフィの女癖は悪かった。

だからこの女も、そのうちの一人だと思っていた。

だが、ドフィの彼女への感情は他とは違うことに気がついた。

まるで宝物を扱うように優しく触れ、彼女を見る目は愛おしさに満ちていた。

Aはドフィの特別だった。

ドフィは彼女を愛している、そう確信した。

しかもAは戦闘はおろか、取引さえも同行しない。

やる事と言えば料理や洗濯といった家事、一人の時間は花の世話や料理の勉強、何処かの国の本を読むくらいだ。

つまり、Aはいたって普通の女だった。

そんな女を、ただ何もせず側に置いている。

数ヶ月、アイツらと過ごして、俺はこう思った。

ーーこの作戦にAは利用できるかもしれないーー

はじめ、俺は彼女をドフィの弱点として見ていた。

だが、この考えは彼女を知っていく中で変わっていった。