【ONE PIECE】運命に抗って (ページ11)

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十話　変えれないページ11

窓の方を見ると、もう夕陽が眩しくなっていた。

『けっこう寝ちゃってたのね』

時計を見ると16時を回ったところだった。

『…もうすぐね』

実際にはこの時間、私はベビー5とはぐてれしまい、人混みの中を必死に探していた。

私が一人になったところを狙って、知らない男達が現れて人気のない場所に連れて行かれた。

こんなことになるのならドフィの言うことを聞いて大人しく留守番しておけばよかったって、後悔した。

でも、今は違う。

私はお祭りに行ってない。

きっと、良い方向に変わるはず。

プルプルプルプルーープルプルプルプルー

部屋の隅にあるでんでんむしが鳴った。

ドフィだと思って、そっとローを起こさないようにして出た。

　『ドフィ？どうかしーーベ「Aお姉様！」

ーー「おい！ガキが！勝手なマネすんじゃねぇよ！」

ーーベ「んーんー！！」

でんでんむしの向こうの声に背筋が凍った。忘れもしない、あの男の声。

　『…港の倉庫に行けばいいかしら？』

ーー「！？どうしてそれを！」

　『すぐに行くからその子に危害を加えないで。ドフィのお気に入りの私が行かなきゃ意味ないでしょ？』

ーー「…まるで全て分かっているような口ぶりだな。まぁいいだろう。ガキには手を出さねぇ、約束しよう。」

カチャっ

受話器を置くと同時にその場に座り込んだ。

息が上手くできない。

こうなるはずではなかったのに。

結局同じようにしかならない。

むしろ今回はベビー5まで巻き込んでしまった。

良くなるどころか最悪だ。

ロ「A！どうしたんだ！ゆっくり息をしろ！」

気がつくとローがすぐ横にいて、過呼吸になった私の背中を摩ってくれていた。

しばらくするといつものように息が出来るようになった。

『ありがとロー、助かったわ』

ロ「A、何があったんだ？」

心配そうに私の手を握るロー。

『ふふふ、やっぱり貴方は優しいわね、ロー。貴方のそういうところ、大好きよ』

ロ「…っ！話を逸らすんじゃねぇよ！俺には話せないことなのか！？」

ごめんなさい、ロー。

もし貴方にこの事を話せば、貴方は私を行かせてくれないでしょ？

でも私は行かなきゃいけない。

大切なものを失うのは耐えられない。

『…ごめんなさいね、ロー』

ロ「っぐっ！A…どうし…て…」

首の後ろを叩いてローを気絶させた。

ローを私のベッドに寝かせて、フードを深く被り、私は部屋を後にした。