【ONE PIECE】運命に抗って (ページ1)

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プロローグ　終わりと始まりページ1

一瞬のことで何が起こったのか、分からなかった。

血と涙でぐしゃぐしゃになったロシィの顔が目の前に見える。

あぁ私、今ロシィに抱きかかえられてるんだ。

必死に私の身体を抱きながら、私の名前を繰り返してるロシィ。

ロシィ、泣かないで。私は貴方の笑った顔が好きなの。

そう言って貴方の頬に触れたいのに、どうしてだろう、身体が動かない。

唯一動いた目で視線を下ろすとお気に入りの白のワンピースが深紅に染まっていて、真っ白のはずの雪も私の周りだけワンピースと同じ深紅色だった。

カシャンッ

音のした方を徐に見るとピストルが落ちていた。

その側にはいつもの余裕そうな表情が全くなく、ヨロヨロと後ずさるドフィがいた。

ド「ッ…！何故コラソンを庇ったッ…！A…ッ！！」

ドフィは私と目が合うと、今まで見たことがないような苦しさと哀しみが入り混じった表情でそう言った。

そっか、私、ロシィを庇って、ドフィに撃たれたんだ。

コ「A！！お願いだ！！こんなとこで死ぬなんてそんな馬鹿なことあっちゃならねぇ！お前はローみたいにこれから先も生きなきゃならねぇ人間だ！俺なんかのために犠牲になっていい命じゃねぇよッ！A！！」

ロシィ、やっぱり貴方は優しいのね。私は貴方のそういうところが…

『大好きよ…ロシィ…愛してるわ…』

やっと発せた言葉はちゃんと貴方に届いたようで、さっきよりも大声を上げて泣きながら、私を抱きしめた。

ロシィに抱きしめられて、さっきまでロシィで隠れて見えなかった鼠色の雲から、大粒の雪がのんびりと落ちてくるのが見えて、何だかたまらなく綺麗で、涙が出た。

そして私は引き摺り込まれるように暗闇に落ちていった。