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A「ただいまぁ…」




ポツン、と寂しく響く玄関の声。


……まだ帰ってないみたい。





制服のネクタイを緩めてブレザーを脱いで、玄関の脇にあるハンガーにかける。



『学校お疲れ様。ごめん、帰りにでもいいからキャベツと豚ミンチ買ってきて?帰ったらお金返すね。』



リビングの電気をつけてそう言って頼まれてた買い物をキッチン台にどさっと置く。

キャベツって半分でよかったよね……?

まぁ、どうせお金返してもらうし悪いから安い方でよかったか。
使い切ればいい話だし。





『今日は早めに帰るね』


カウンターに置いてある置き手紙。
今日はこの人から伝えられること多いなぁ。

ってか、





A「字、私の方が綺麗じゃん、」




前、俺の方が綺麗だろってブーブー言ってたのに。


思い出してクスッと笑って少しため息。












そっか、今日は……早いんだ、















時計の針は5時を指していた。



……ねぇ、早めに帰るって何時…?





すぐ、

黙ってたらすぐこんなこと考えちゃうから。

2回目のため息をついてリビングをでる。




帰ってきたのがすぐにわかるように下で課題しておこう……。




そう思い、自分の部屋への階段を上る。


その時突然。







がちゃがちゃ、


外から鍵を開ける音。








A「…………!!」









……かえってきた、!






ほんとに早く帰ってきたんだ、








小走りで玄関まで行って、焦りながらローファーのかかとを踏まないようにつま先だけ引っ掛けて履く。







A「あいてる、…よっ!!」






「よ!!」と同時に開けたドアの先。














慧「あ、A……、帰ってたの、」















私の大好きな笑顔が鍵を片手に待っていた。

#→←# memory



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作者名:にーこ | 作成日時:2019年5月2日 18時

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