# memory ページ3
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大貴「す、……好きですっ、付き合って、くださいっ!!」
突然の出来事だった。
いつもと変わらない、なんにもない日。
昼休みに、1人の男の子が私に話しかけてきて
「あの、今日の放課後…屋上で待ってます、」
それもそれで突然すぎて頭の中でハテナが沢山できたけれど
A「あ、…………はい」
ブレザーの襟に青い校章
同じ学年のひと?
男子にしては少し低めの背と、くりくりした目が印象的で
「……おねがいしまっす!!」
私はいつの間にか彼の怪しいお願いを承諾していた。
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その結果、それに至る。
つまり、告白するための……呼び出しだったわけで。
これでもかと言うくらい下げられた頭。
ゴツゴツして男の子らしい手がキレよく差し出される。
A「……えと、あの、……」
混乱する中なんとか絞り出した迷いの返事。
大貴「だめ、ですか、?」
A「……!!」
何この子……めちゃめちゃ犬みたいじゃん!!
なんだっけ、あの犬種、……そう!ポメラニアン!!
くりくりして少しだけ潤んだ目。
よく見れば顔ちっちゃいし、ちょっとかわいいかも、
なんて。
私なんでこんなこと考えてんだろ。
A「あの、まだ……あなたのこと何も知らないし……」
大貴「それは!これから知っていけば!」
A「えぇ……」
なんだコイツ……。
これが彼、有岡大貴の性格についての第一印象。
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と言っても、人生で初めての告白。
慣れてる訳でもない。てか慣れてないのが当たり前。
しかも、「ごめんなさい」なんてすぱって断れるような性格でもないから
A「あの、……と、友達から、なら、」
戸惑いながらも冷静に、よくドラマとかで耳にするようなセリフを言ってみた。
その途端彼はぱっ!と顔を上げて
だんだん笑顔になっていく。
大貴「……ほ、ほんとですか……?!」
あ、この人感情全部顔に出る人なんだ……。
それでもその笑顔が何となく可愛くて
ちょっとだけ。ちょっとだけ、ドキッとした。
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……だめだめ。どきどきしちゃ。
………………だめなの…。
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作者名:にーこ | 作成日時:2019年5月2日 18時