好きって気持ちは～D.Arioka R.Yamada (ページ10)

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青春…10 ページ10

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朝7時。

いつも、顔にあたる窓からの陽の光で目が覚める。

うーん…と、背伸びをして

起き上がる。

白い花柄の壁紙が目に写って
なぜか、また睡魔が襲ってくる

…はずだった。

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A「ん…？いい匂い…。」

ふだん、香ることのないこの匂い。

アロマとかそんなんじゃない。

これは、きっと…。

私は、少し長くなった髪の毛をさっと束ねて、
階段を駆け下りた。

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香りの震源地は、やはりキッチンからで。

誰がいるのかとか、
何をしているのかとかも、

見なくとも、聞かなくともわかった。

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A「…おはよ。涼介。」

涼介「…おぉ。おはよ。」

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世の中の男性は

朝目が覚めたら、トントントンと包丁とまな板がぶつかる音が聞こえてきて、

グツグツと何かが煮える音とか、

鼻腔をくすぐる温かい香りとか、

そんなものを、女の人に求めているらしいけど。

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全くの逆じゃんね。

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エプロンつけて「おはよう。もうすぐ、ご飯できるからね。」とか、

「まだ寝ててよかったのに」とか、

そんな、主婦的な人じゃない。涼介は。

てか、まったくの逆

エプロンつけてないし。

おはよ、とは言ったけど、ご飯のことも口にしないし

まだ寝てていいよとか…

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涼介「早く顔洗ってこいよ。すぐ出来るし。てか、お前のせいで遅刻とかありえないから。」

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涼介には程遠い…。

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A「うるっさいなー。分かったから！｣

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私は洗面所へ足を向けた。