好きって気持ちは～D.Arioka R.Yamada (ページ45)

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青春…45 ページ45

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A「今日ね、大貴に聞かれた。」

涼介「なんて？」

A「…ほんとに山田のこと好きなの？って」

涼介が目だけをこちらに向ける。

ずこー、

ヨーグルトが空になった音。

なんか、少ないな。

いや、そう感じるだけか。

舌にのこるひんやりしたヨーグルトの感覚をまだ求めている私がいた。

涼介「……で、なんて答えたの、」

A「……すき、って」

嘘なのに。

嘘だけど。

それでも恥ずかしくなってきて

もたれかかった柵に顔を埋める。

涼介「…お前、それマジで言ったの？」

私はそのまま、こく、と頷いた。

変な汗が、じわりと滲んでくる。

涼介がスマホを置いた。

ぎし、となる体重がのっかった柵。

．

涼介「……Aはそれでいいの？」

いつの日か、聞いたことのある

涼介の優しい声。

普段呼ばないAなんて言葉使って。

気がつけば、1ｍあいていた間は

もうなくて

涼介はこれまでにないくらい私のそばに居た。

やけに白い腕とか

角張った手とか

涼介の家の柔軟剤の香りとか

ぜんぶ、ぜんぶ、

涼介だって思わせるものばかりで

．

A「も、…わかんない…。」

．

泣いてばっかり。

たぶん、そう思われてるんじゃないかな。

でも、

そんなこと一言も発さずに

何も言わず何もせず

ただ隣にいてくれるから

また、私は涼介に甘えてしまう。