好きって気持ちは～D.Arioka R.Yamada (ページ36)

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青春…36 ページ36

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そろそろ夏本番の暑さだった。

こうなれば、日焼け止めとジャージが必須になってきて、

暑くても我慢しないといけないようになった。

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慧「あっちぃ…。水…。」

部室で新しいボールの確認をしていたら慧がタイムキーパーから戻ってきた。

A「お疲れ。はい。水。」

慧「おー、サンキュー。」

私の手の方に慧の白い腕が伸びてきた。

ぐびぐび、と音をさせて飲み干し、
椅子にどかっ、と倒れ込むように座る。

慧って、可愛い顔して女の子みたいだけど
こーゆーとこの性格は男子だなーと少しの間だけ見つめる。

慧「……なにー？じーっと見つめて。」

A「え？…あ、ううん。別に。」

慧がくすくす笑って逆に見つめ返してくるから

思わず目をそらしてしまった。

ほんと、ちょっとプレイボーイなんだよなぁ…。

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ぴりぴり、と新しいボールを包むナイロンをハサミで剥がす。

慧に背を向けて作業を黙々と続ける。

慧「それ、おにゅー？」

A「…おにゅーって…。

そーだよ、新しいボール。」

ふーん、と唸ってまた水を飲む慧。

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慧「…それさぁ、こっから切れるっての。」

A「……え？！」

いつの間にか隣に回ってた慧。

慧は未開封のボールの側面についてる小さく剥がれたナイロンを、ぴっ、と引っ張った。

私は自分の持っているボールの側面を探す。

A「……あれ、どこ？」

慧「赤い印ない？」

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ぐい、と詰めた私との間。

慧の手がボールに触れる。

慧「…ん、見えねぇ、」

A「……？！」

慧が後に回って

私を囲うようにして手を伸ばし、赤い印を探す。

…近い…

慧がこんな性格だからか、わざとだって。

からかってるだけだって、分かってるけど。

だめだ、ドキドキする。