好きって気持ちは～D.Arioka R.Yamada (ページ33)

今日:23 hit、昨日:5 hit、合計:42,377 hit

青春…33 涼介side ページ33

.

Aが一人前の鍋焼きうどんを食べ終わった。

A「ごちそうさまでした」

涼介「…ん。」

すこしだけ落ち着いたのか、さっきの強ばった顔が緩んでいた。

.

今日、Aの顔が不安に曇った顔を見た。

すぐに駆け寄った伊野尾ちゃんも、知念も、俺だって分かったくらい。

伊野尾ちゃんは「しんどかったら言ってよ？」と言ったみたいだけど

侑李｢……彼氏の出番なんじゃないの？」

涼介「…え？」

あの、人のことはほとんど気にしない知念がそういった時は

何も言えなくて

.

俺が発端なのかな、と少しだけ申し訳ない気持ちになったものの、

そんなことで謝るもかっこ悪いし。

でも、俺が発端なんだとしたら

ちゃんと話聞いてやらなきゃと思ったから。

嘘の関係であっても、俺とAは腐れ縁。

腐れ縁なら腐れ縁なりの守り方ってのがあるかな、と考えた結果だ。

でも、俺からあんな言葉が出るなんて思ってなくて、

正直、まだ心臓がうるせぇ。

.

A「ごめんね、涼介…。私の勝手で。」

涼介「…え、あぁ。…別に。」

.

ったく、急に話しかけてくるなよ、

って思うのは

こいつのせい。

.

A「あと、…ありがと、」

.

Aはにこっ、と持ち前の笑顔を俺に見せた。

なーんも変わってねぇ。

まぁ、それが、

…いいんだけど。

.

涼介「……おぅ、」

.

.

ったく、

可愛い顔しやがって。