僕らのファジー理論【短編】 (ページ7)

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商店街を真ん中まで通り過ぎた時、眩しい光が私たちを包んで照らす。

…ゲームセンターだ。

最近流行りの曲や、さまざまなアニメキャラの声が店の中から溢れだしている。

急に勇人は私の腕をぐっと掴む。

「な、時間あるし、ちょっと寄って行かへん？」

『えっ？』

勇人に言われるがままに私はゲームセンターの中へと入っていった。

『私、ゲーセンとか学生以来…』

「俺もやわ…あっ、あれめっちゃカッコイイやん！」

勇人はクレーンゲームのガンプラを見つけ、目を輝かせる。

これまでにないほどのはしゃぎ具合…やっぱ男子だなあ…。

久しぶりのゲーセンということもありはしゃいでいるのか、勇人が楽しそうなところを見て私も思わず嬉しくなる。

「ちょっ、Aっ！来て来て来て来て！」

『はいはいっ、何です～？』

「見て！」

楽しそうな勇人に笑顔が抑えきれなくなりながら、彼が指さすクレーンゲームの箱の中に視線を運ぶ。

そこにあったのはうさぎのキャラクターのぬいぐるみ。

「これ、前に可愛いって言ってたよな？」

『え、いつの話だっけ？覚えてたの？』

「うん、好きだって言ってたやん」

『ん～、そうだっけ、よく覚えてたね…。プレゼントは持ってくるの忘れちゃうのにね』

「うっ、もうやめてっ」

ううう～、と唸る勇人にごめんごめんと私は笑いながら謝る。

「…よし俺、今日は何としてでもこのウサギ取るわ！」

『えっ、やるの！？』

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