僕らのファジー理論【短編】 (ページ5)

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帰り道、ゲーセン G#6 ページ5

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勇人A誕生日おめでとう。当日に言えんくてゴメンな。今度の週末って空いてる?

そんなメールが来たのは私の誕生日から3日ほどたった日だった。

彼はプロ野球選手、多忙な事は承知してて彼を責めるつもりは1ミリもない。

週末、彼の待つ焼肉店の個室へと足を運ぶ。

「おっ、来た来た今日の主役さんっ」

『なんだそれ～…もう誕生日は過ぎてるし第一ふたりだけじゃん…』

「あははっ、誕生日おめでとう。やっぱ他の選手とか呼んだ方が盛り上がって良かった？」

『ううん、申し訳ないよ。せっかくのオフなのに、ふたりで充分』

忙しいはずなのに、勇人はこうやってわざわざご飯に誘ってくれる。それだけで私の心はいっぱいだった。

「…新しい仕事は順調？」

もう早速、網に置かれた肉をひっくり返しながら勇人は私に尋ねる。

『んー、慣れてきたなぁってところ。でもだいぶ過ごしやすいよ』

「前の職場の時の愚痴は半端なかったもんなあ」

『あの会社は異常なんだって！上司が悪い！』

前にいた会社への怒りを再び露わにする私を見て、勇人は爆笑する。

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