僕らのファジー理論【短編】 (ページ37)

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愛され妹 Sh#6 ページ37

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『や…ギータさんだ、ホンモノだ…！』

「…な、誰やお前」

私はいま、ずっと憧れだった柳田悠岐選手を目の前にして目頭を熱くしている。

『ずっと会いたかった、嬉しい…う"っ"』

「なっ、こんな人通り多い廊下で泣かれても困んねん！はよ涙拭きぃ！」

ギータさんが私の涙を拭おうと手を伸ばしたその時、よく知る声が響いた。

「ギータさん！なに俺の妹泣かせてんスかっ」

ズカズカと歩いてきて、私を庇うように後ろ立ったのは私の兄である。

『け、健太にぃ…』

「いもうとぉ！？けんたにぃ！？」

「A、このハンカチ使う？」

私と兄を交互に指差し驚くギータさんに目もくれず、私にハンカチを差し出す健太にぃ。

『…ありがと』

「で、なんで今日は来たん？」

『健太にぃのこと、びっくりさせたくて…そしたら廊下でギータさんと遭遇しちゃって…』

私がそう言うと、健太にぃはその場にしゃがみ込む。

「はぁぁぁぁ～…可愛い…」

「健太お前、シスコンやったんか」

「やかましいですギータさん」

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