僕らのファジー理論【短編】 (ページ34)

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おもいでの君 Ys#1 ページ34

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～彼 side ～

「久しぶり。…髪、切ったん？」

『そう。高校卒業して、1年半後くらいに切ってずっとこの髪型なの』

「似合ってるやん」

まるで知らない人みたいだ。

外見もがらりと変わっていて、正直戸惑った。

彼女のあの頃の面影を必死で探す俺。

ありがとう、と照れて笑って鼻を隠す仕草は変わってなかった。

綺麗な服を着て、唇に淡い赤色を差している、高校の頃の同級生のAA。

Aはとくべつ仲の良かった友達。

そして初めて俺に告白してきてくれた相手で、初めて振った相手。

『…哲人くんとは何年ぶりだっけ』

「何年ぶりやろ、覚えてない」

『いつも同窓会に来てなかったもんね』

知らないフリをしたけど本当は覚えてる、全部。

同級会で懐かしい顔ぶれが並ぶ中、俺とAは隣同士で呑んでいた。

『私、今はスタイリストの仕事してて、それで……って、哲人くん聞いてる？』

「……ん？」

『聞いてなかったでしょー』

「…あ、ごめん、もう一回言うてっ」

『もう！』

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