僕らのファジー理論【短編】 (ページ26)

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満員電車 M#4 ページ26

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※学生設定です
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「ほんとに藤岡とAって付き合ってないの？」

『だからぁ～、付き合ってないって！』

週に一度は友人に言われる言葉、今日もそう聞かれて否定する。

『一緒に帰ってるだけだよ…』

「さてどうだか」

『っもう！』

…実を言うと、彼が私に想いを寄せていることにはもう気づいている。

ただ、私がその気持ちに駆け寄れないだけで。

「A、部活終わった」

『お疲れ～、今日は早いんだね！じゃ帰ろうか』

「おう」

いつものように私の待つ教室に迎えに来る裕大、いつものようにふたり並んで他愛ない会話をして歩く帰路。

裕大と私の距離はおよそ2センチ。

たったそれだけが、私にとってはすごく遠くて。

周りからみたらもう恋人みたいなのかなぁ…。

「げっやば。この時間ってめっちゃ電車混んでない？」

『わぁほんとだ、乗れるかな』

電車に乗り込むとぎゅうぎゅうのすしずめ状態。

周りの人に押され、足元がふらつく。

「俺につかまってて」

『ご、ごめん…』

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