僕らのファジー理論【短編】 (ページ20)

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君にこの気持ちが伝わればなぁ…。

君が、帰り道に思い出すようなことをしてみたい。

少しでも私を意識してもらえるように。

『藤平くん』

「ん？」

『…尚真くんって呼んでいいかな？』

「……」

『今のままだと…か、堅苦しい感じするし』

彼は黙ったままで、それでも少しずつ顔が赤くなっていくのが分かる。

「…うん、いいよ」

カレーが運ばれて来るまでの間の会話はそれっきりで、食べ始めてからはお互いにいつも通り明るい会話が出来た。

『バターカレー、甘くて濃厚だったよ』

「まじか。今度俺も頼むかな～」

お店を出た後、私たちはそんな会話をしていた。

「てか……A、辛いの苦手だったの、気づかなくてゴメン…」

『全然！むしろ美味しかったし！』

「…またさ、ご飯誘ってい？」

え？また誘ってくれるの……？

私は大きく頷く。

『うん…！もちろんっ！』

「やったぁ！ありがと、A」

『いえいえ～！……って、えっ？今っ！？』

ふふふっと笑って駆け足で駅に走る尚真くんを追いかける。

『待って待って！もう一回言って！』

「もう言わないっ」

《恋のスパイス》～END～
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なんか私のお話に出てくる方々っていっつも何かしら美味しそうなの食べてる……？
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