僕らのファジー理論【短編】 (ページ13)

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浮いちゃう系女子 Sh#20 ページ13

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～《熱気球症候群》の彼 side ～
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天気のいい昼下がり。

今日は早めの下校だった、部活もない。

早めに家に帰ってもすることも無いし、躊躇なくいじってくる先輩達とは一緒の帰路につきたくない。

せめても放課後の時間を潰そうと俺は屋上へ足を運んだ。

屋上の重たい扉を開けた途端に明るい陽射しが体を射通し、反射的に目をつぶる。

「うお～、まぶしっ」

今日は一段と陽射しが強い、部活がなくて良かったと心の底で思う。

『…っ、…助け…！』

不意に遠いところからか細い声が聞こえてくるような気がした。

思わず眩しくて下に向いていた視線を上げる。

その先には、

「は！？人ｯｯ！？！？」

あれは、隣のクラスのAさん…？いや浮いてる！？

驚きで、反射的に俺は部活での声出し以上にデカい声を上げていた。

フェンスに逆向きで宙ぶらりんにぶら下がる少女、まるで彼女だけ重力が逆さまにかかっている様だった。

「待って、今行くっ！」

俺はフェンスに向かい全力疾走、そしてフェンスをよじ登る。

ある程度登ると彼女に向かって手を伸ばした。

「捕まって！」

彼女も懸命に俺の手を掴んできて、俺はそのまま彼女を屋上へと引き下げる。

何とか屋上の地へと足をつけた、彼女は腰から地面へとへたり込んでいた。

掴んだ瞬間の彼女の手はとても熱かった気がしたが、今はもう冷たい。

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