僕らのファジー理論【短編】 (ページ11)

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僕でもいいんじゃないかと G#36 ページ11

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～彼 side ～
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君の彼氏は少し、ほんの少しやけど、俺に似てる。

髪型とか声もだいたい同じようなもんやろ。

そこで俺は最近思い始める。

「俺でもええんちゃうっ！？」

『何、大きな声出して。どうしたの慎吾ちゃん』

…大丈夫？っと心配して見てくるコイツ、Aは俺の小さい頃からの幼なじみ。

昔からぽーっとしていて、俺がいないと何ひとつできない天然なやつだった。

なのに、なのにコイツにこの間、彼氏が出来た。

「あああ～、なんでお前みたいなやつに彼氏が出来るんや～……」

Aの家のコタツで丸くなり、残り少ないみかんの入ったカゴを抱きしめて俺は項垂れる。

なんでよりによって俺に似たヤツと付き合うんや。

じゃあもう俺でええやん。

むしろ、絶対俺の方がAを……。

『慎吾ちゃん、彼氏欲しいの？』

「ううん………彼氏くんのどこが好き？」

『えっ…えっ、と～…』

Aは少し動揺しつつ、本気で考えだしたようだ。

心做しか彼女の頬は赤く染っている。

「あー！もういい！今のナシ！」

どんどん自分が惨めったらしく思えてきた。

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