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ボッっと燃える音が胸の奥から聞こえた。
今にも体は宙に浮きそうだ。
やめて…これ以上……。
苦しくなり、私はギュッと目を閉じる。
「礼〜！！」
すると賑やかな音がする廊下側からよく響く女子の声が聞こえてきた。
その声に反応し、礼くんは振り返る。
「一緒に帰るって約束したじゃん…」
「ごめんって…」
その女の子に礼くんは申し訳なさそうに謝る。
それでもその表情は私に見せるものより明らかに柔らかい。
『礼くん、この人って…』
「あ…えっと、彼女、だよ」
一瞬時間が止まったように思えた。
「あなたがAちゃんか〜！よく礼から話聞くんだよ〜、やっぱ可愛いね！」
「やめろって…」
2人は何か話してたような気がしたけど全く耳に入らなかった。
一刻も早くここから出たかった。
『じゃあっ…邪魔しちゃ悪いよね！私帰るね！』
「わ、悪い」
その時ちゃんと笑顔が作れたか分からないけど、私は勢いよく教室を飛び出した。
熱い、顔が熱い、胸も熱い。
礼くん彼女いたんだ。
それなのに私、運命だなんて、恥ずかしくて死にそうだった。
校舎を出た頃にはもう私の体はこれまでに無いくらい熱くなっていた。
ふわっと自分の体が浮いた感覚が分かった。
『まって、だめだめだめっ』
それでも焦れば焦るほど、勢いよく空に向かい体は上昇する。
こんなに上に上がったのは初めてでパニックを起こしていた。
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作者名：いろは | 作成日時：2019年11月25日 10時
