A strange love【まふまふ】 (ページ5)

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共同生活４ページ5

｢A、久しぶり｣

電話口から聞こえてきたその声が、いつも通り眠たげだったから笑ってしまった。
夏に眠くなる人って珍しくないか。
彼がマイペースなことは重々承知だが、自分の時間軸で動いてる以上、季節すら関係ないのだろうか。

｢おい、何笑ってんだよ....まぁ、良いや。そんなことよりも、大事な話があるからちょっと聞いて｣

　
さすがにここまでおふざけを引き伸ばしたら失礼なので、大人しくそらるの話を聞くことにした。

｢お前まふまふ分かるよな？｣

かろうじて名前は覚えていたから、うん、と返事をした後にどんな人だったか思い出す。

確か、そらると一緒に音楽をやっている人だったっけ。そちらの界隈の方では有名人と聞いていたが。

｢しばらくの間、そいつと一緒に暮らしてほしいんだ｣

｢へー！そうなんだすご.....は？｣

自分には割りと関係ない話だと思って、反応のテンプレを先回りして用意していたが、明らかに早とちりだった。
てか、その前にそらるが普通の話を話す程で話してくるもんだから、思わず言葉に詰まった。
理解が追い付いていない。車だったら玉突き事故も良いところである。