47話 中島side ページ47
ﾋﾟｰﾋﾟｰﾋﾟｰ
ホカホカと湯気を立てるお皿の上のハンバーグに、サラダ、そして涼介くんがよそってくれたご飯が今日の夕食
｢いただきます！｣
｢はい！｣
箸で切れるくらい柔らかいハンバーグは、ケチャップベースのソースによく合ってとても美味しい。
｢涼介くん、今日は何して遊んだの？｣
｢いのおさんと、お絵かきした！｣
｢えー、どれどれ見せて！｣
｢いいよー！｣
ちょっと待ってて！と言って座っていた椅子から飛び降りた涼介くん。
テレビの反対側にあるおもちゃ箱から、落書き帳を持ってきた。
｢見てーAさん！｣
(ｶﾞｸｯ)
自分じゃないんだというショックが隠せない。
ずっと服握って｢いかないで｣って言ってませんでしたっけ！？
俺はずっと涼介くんの事考えてたのに！
｢あとー、ゆうとさん！｣
･･･
｢ゆうとさん...？｣
｢ありがとう、この絵宝物にする。｣
子供ってどうして、不意打ちで人を喜ばせることに長けてるんだろう。
落書き帳には黒と青で全身を塗られて、なぜか肌の色がない俺がいた。
｢俺白くない？うすもも色のクレヨンなかった？｣
｢ううん。目の黒とあうとへんだから。｣
す、すごい感性だ。
｢これは？｣
｢ね、ねいびーの、かーてん！｣
カーディガンはやっぱりまだ早いらしい。
隣には、水色のクレヨンで ゆうとさん と書かれていた。
｢あのね、いのおさんにおしえてもらったんだけどね、ゆがむずかしかった。｣
そう言われてみれば確かにゆの字がいびつだった。
でも、
｢そんなこと気にならないくらい上手だね。｣
隣に座った涼介くんをきつく抱きしめた。
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作者名：はばねろ | 作者ホームページ：http://uranainovel@havanero
作成日時：2017年3月11日 9時
