41話 川原side ページ41
「はぁ。」
私は、新たに事件も起こらず、平和な日々を送っていた。
なのに、
「なになにどうしたのー?ため息なんてついちゃって!んー?Aちゃーん。」
「もしかして、Aにも春が来たんですかー?」
私はちっとも平和じゃない。
「2人とも静かにして。有岡は戻ってよ。」
「有岡だってAがため息なんかついてたら、心配だよねー!」
「そーそ。」
楽しそーで。
ため息の理由は、今朝の朝礼でのこと。
「志摩警察署では今年も冬の防犯公演があるんだが、人が足りなくてな。誰かいないか2人でいいんだ。」
どうせ誰かやると思って黙ってた。
「はい。俺、やります。」
「そうか、じゃあ川原も一緒に行ってこい。」
え。
「2人だし、丁度いいだろ。」
「はい。」
「はい...」
「あの、Aさん、すみません。巻き込んじゃって。」
「いいんだよ。別に予定もないしね。」
それに、警察事務が運営するこの企画。毎年人手が足りなくて、毎年余った演者をやらされるのは2課。
男女でいれば、なにかと便利だと分かっているのは、私が高校時代、バイト代の全てを観劇に費やしたから。
39人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はばねろ | 作者ホームページ:http://uranainovel@havanero
作成日時:2017年3月11日 9時