39話 川原side ページ39
りょうすけくんは頭がいい。こちらの質問したことに短く、且つ的確に答えてくれる。もし、りょうすけくんから重要な証言が獲られたら、犯人逮捕も時間の問題だろう。
「りょうすけくんは、時計は読める?」
「うん、すうじがかいてるから。」
「昨日の夜に時計を見たときは何時だったか覚えてる?」
「きのう、よるにおしっこいきたくなって、目がさめて、おトイレいったときに見たら3時だった。」
「そうなんだ。じゃあ、りょうすけくんは何か音を聞いたのかな、それとも何か見たのかな。」
「えっとね、おとこの人のかげを見た。」
男の人影...
「どうして男の人ってわかったの?」
「うんとね、体がおっきかったから!」
「太ってたってことかな?」
「ふとってたってなに?」
「こういう感じだよ。」
すかさずゆうとさんが携帯で画像を見せてくれた。太ってるって概念がないなんて羨ましいな。
「ちがう!あのね、ゆうとさんみたいに背がおっきかったの!」
「中島さん、申し訳ありませが、お2人が寝ていた所へ案内してもらっても構いませんか?」
言うが早いかりょうすけくんが手を引っ張った。
「いいよ!こっち!」
「あっ、」
「引っ張っちゃダメだよ。こっちです。」
「失礼します。」
「お邪魔します。」
「ここ!」
りょうすけくんの言った通り、ダブルベッドの脇のサイドテーブルの上に間接照明と、デジタル時計があった。
寝室には大きな窓が1つ。この右側に、事件のあった部屋がある。犯人はここを通ったということになる。
「じゃあ、ここでりょうすけくんは背の高い男の人を見たんだね。」
「うん!」
「どのくらい背が高かったかわかる?」
「うーん」
「りょうすけくんはどんな体勢で見たの?立ってた?それともベッドで寝ながら?」
「おしっこいった帰りだから立ってた!」
「そっか。ちょっと岡本、立ってみて。」
「はい。」
りょうすけくんを立たせたまま、岡本に窓側に立ってもらう。
「岡本は身長いくつだっけ。」
「171cmです。」
「りょうすけくん、この人よりおっきかった?」
「おんなじくらい!」
「わかった。どうもありがとね。」
「ねーねー、あれやって!」
「あれってなあに?」
「ぴっってやるやつ!」
そう言って敬礼するりょうすけくん。
「いいよ。岡本。」
「はい。」
「「ご協力感謝致します。」」
「きゃー!」
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作者名:はばねろ | 作者ホームページ:http://uranainovel@havanero
作成日時:2017年3月11日 9時