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お待たせしました、と女性店員がパンケーキが運んでくる。ダーレスが宝石を見る様な目でトレイを受け取る。アンデルセンも受け取り、テーブルに置く。
ダーレスが頼んだチョコレートベリーは、二枚重なった厚いパンケーキの上にチョコホイップが山程盛られ、小粒のベリーが沢山散らされている。トレイにはチョコソースが入ったポットが置かれ、個人の自由にかけられる様になっている。
アンデルセンのキャラメル&オレンジは、同じく二枚のパンケーキに白いホイップが山となり、大ぶりのオレンジの果肉が幾つも乗せられている。此方もキャラメルソースは好みでかけられる仕様だ。
頂きます、と川端に習った合掌をするアンデルセンに合わせて、ダーレスもぱちんと手を合わせてからポットを手に取る。一回し、二回し、それでもまだ回し続け、ポットの中身が空になる迄かける。自分も食べるのに、と思ったが、自分も甘い物は余裕だったと思い出して口は開かなかった。
アンデルセンもキャラメルソースのポットを手にし、半分程回しかける。残りは一枚を食べ切ってからかける心算だ。
ポットを置いてカトラリーを手に取り、一口大に切り分ける。オレンジの実も合わせてフォークで刺し、ホイップも乗せて口に運ぶ。
ふわりと柔らかい生地に、濃厚で甘いホイップとほんのり苦いキャラメルソースがよく合う。オレンジの酸味が調和を乱さない程度に良いアクセントとなっている。
「美味しいね、アンちゃん!」
「うん。並んだ甲斐があった。……一口食べる?」
「えっ善いの!? 貰うっ!」
フォークに刺したパンケーキを差し出してやると、彼は輝かんばかりの笑顔を浮かべてぱくりと口に入れる。間接キスだとか男同士だとか、そう云う事は気にしないのだろうか。アンデルセンも気にしないが。
美味しい美味しいと笑い続けるダーレスに、アンデルセンも少し口角を上げる。ダーレスと居ると表情筋がよく動く。善い事なのだろう。
性格に少々──否、可也?──難があるが、それでも自慢の友人と呼べる相手だ。本人には恥ずかしくて云えたものでは無いが。
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名無しのチート(プロフ) - アカツキさん» ありがとうございます!(*´ω`*)ムシャムシャ← (2020年5月15日 22時) (レス) id: 6216eeef7c (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 名無しのチートさん» いえいえ、こちらこそ素敵な子達をお貸し頂いてありがとうございました! こんな拙い文章力で良ければ……( *・_・*)っ【文章力の欠片】 (2020年5月15日 22時) (レス) id: 5ad838b917 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのチート(プロフ) - ありがとうございますっっ!!(文才力が欲しい...!)どんどんうちの子達使っちゃってください! (2020年5月15日 22時) (レス) id: 6216eeef7c (このIDを非表示/違反報告)
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