第六話 ページ7
屋根の上から出久と爆豪を見ていた。
爆豪が一方的に出久に怒鳴る。
「本に、昔からタフネスの塊じゃのう。お前は」
人虎の様じゃな。
「「！」」
「え、紅葉?! ど、どこに?!」
周囲を見渡す二人。
「此処じゃ、屋根の上じゃよ」
「屋根、って……、えぇ?! あ、危ないよ！」
私の姿を見た途端、慌てる出久。
出久の隣に飛び降りる。
「っ……！」
「む？ どうした？ 急に黙って」
「い、いや、そのー……、き、きききき綺麗に、なったなー……、と」
顔を紅く染め、目をそらし乍ら云う出久。
「……ふふっ。そうかえ？ ありがとう」
「っあ、そ、それで、なんで急に居なくなったの？」
ふむ。
「実はな、あの後、私は緑谷家の籍を抜けたのじゃ」
「……え？」
「知らんかったか？ 今は緑谷紅葉ではなく、尾崎紅葉じゃ。まあ、出久は今でも兄と思って居るがな」
出久と爆豪を見ると、少なからず驚いている様じゃ。
「う、嘘……。だ、だって、そういうのって、親の許可が必要なんじゃ……！」
「…………。出久、私は正式な書類の元、緑谷家から尾崎家に籍を移した。……私は、もう緑谷を名乗れん」
「そ、それ、って……、母さんが、紅葉を……」
「……捨てた、ということじゃな。養子に出した、とも云える」
衝撃を受ける出久。
「まあ、そういうことじゃ。……会えて良かった。爆豪もな」
「…………」
爆豪が無言で睨みつけてくる。
「……まあ、亦会えるからの。出久、頑張れよ」
「へっ？」
出久に微笑み、頭を撫でて通り過ぎる。
「爆豪、少し付き合え」
「あ？」
「出久に客人じゃ。私等は退散しよう」
爆豪の腕を掴み、其の場を去る。
「……おい」
「ん？ 何じゃ？」
「んで、何も言わずに行った」
…………。
「……顔を合わせたくなかった故」
「は？」
「それより、二人とも雄英に行くのじゃろう？ お前の事じゃ、出久には行くなと、！」
行成腕を払われ、壁に押し付けられる。
「んだよ、顔合わせたくねぇって……！ そんなに俺が嫌いか?! あ?!」
……っ。
「昔っから壁作りやがって！ 俺がどんだけ心配したと思ってる！ どんだけ、探したと思ってんだ!?」
……探して、くれたのか。
「すまぬな。……ありがとう」
「はぁ?!」
「……本に、ありがとう……っ」
探してくれた。
私を、必要として、くれている様で……。
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霧宮椿(プロフ) - 続き待機しています！姐さんカッコいいです！応援しています！ (2022年11月26日 8時) (
レス) @page38 id: 95d482cbd7 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 涙腺崩壊。特に夜叉とのシーンで泣いた (2019年7月31日 13時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 星姫さん» ありがとうございます！ 長らく更新できませんでしたが、他の作品含め、少しずつ更新して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - マリーさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。少しずつ更新を再開して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
星姫(プロフ) - 作品とても面白いです。更新楽しみにしています！ (2019年1月6日 2時) (レス) id: d716fdff91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳凰寺未来 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月28日 11時
