第二十九話 ページ30
「んじゃ、“個性”使ってやってみろ」
勝己が円の中に入る。
「円から出なきゃ何しても良い。早よ。思いっきりな」
「んじゃまぁ……」
軽く腕の筋肉を伸ばし、振りかぶる。
「死ねぇッ!!」
大爆発と共に球が跳んで行く。
死ね、とな……。
「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
見せられた液晶画面には、７０５．３Mと表示されていた。
ふむ。０．１M成長したな。
まあ、私等が遣って居たのは個性の強化ではなく、技術の向上じゃ。
此の位じゃろうて。
生徒達が表示された数値に驚く。
「７０５Mってマジかよ……」
「何コレ、面白そう！」
「“個性”思いっきり使えんだ！ 流石ヒーロー科！」
……子供じゃな。
戦うということが何か、分かって居らぬ。
「面白そう、か……」
何人かが、相澤先生の雰囲気が変わったことに気がつく。
「ヒーローになる為の３年間、そんな腹積もりで居るつもりなのかい？」
除籍処分等、何かしら云いそうじゃな。
「よし。８種目トータル成績最下位の者は、見込み無しと判断し、除籍処分としよう」
矢張りか。
大声を上げて驚く生徒達。
「生徒の如何は
前髪を掻き上げ、不敵に嗤う。
成る程の。
流石最高峰じゃ。突拍子も無いことを云う。
却説……。
ちと、本気を出すか。
「最下位除籍って……！ 入学初日ですよ?! いや、初日じゃなくても理不尽過ぎる！」
理不尽、のう……。
「自然災害、大事故」
「「「「「？」」」」」
私が言葉を発したことに頸を傾げる生徒達。
「身勝手な敵達。何時何処から来るか分からない厄災。日本は理不尽に塗れている。そういう危機を覆していくのがヒーロー、じゃろう？」
「尾崎の言う通りだ。放課後マックで談笑したかったのならお生憎。これから３年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。更に向こうへ。Plus Ultraさ」
指先で、来い、と挑発し乍ら、不敵な笑みを浮かべて言い放つ。
「全力で乗り越えて来い」
其の一言で、生徒達のやる気を引き出した。
……流石じゃな。
「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ」
第一種目、50M走。
“個性”がエンジンの飯田が３秒台を出した。
次は……、出久と話していた女子じゃな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
霧宮椿(プロフ) - 続き待機しています！姐さんカッコいいです！応援しています！ (2022年11月26日 8時) (
レス) @page38 id: 95d482cbd7 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 涙腺崩壊。特に夜叉とのシーンで泣いた (2019年7月31日 13時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 星姫さん» ありがとうございます！ 長らく更新できませんでしたが、他の作品含め、少しずつ更新して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - マリーさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。少しずつ更新を再開して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
星姫(プロフ) - 作品とても面白いです。更新楽しみにしています！ (2019年1月6日 2時) (レス) id: d716fdff91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鳳凰寺未来 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月28日 11時
