第二十七話 ページ28
「お早う勝己」
「はよ」
私の鞄を奪い、さっさと歩き出す勝己。
「ふふっ。ありがとう」
隣に並んで歩くと、ちらちらと私を見て来る。
「……髪、降ろしてんのな」
「嗚呼。流石に洋服に何時ものは出来ぬよ」
「鬱陶しいだろ。後でやったる」
「そうか？ ではお願いしようかの」
微笑む。
「……制服、似合ってる」
聞こえるか聞こえないか位の声量。
だが、私にははっきりと聞こえた。
「……あ、ありがとう」
顔が熱く成った。
「つかスカート短くねぇか」
「む？ 此れが普通らしいぞ」
「ふーん……」
そう零し、周囲を睨む勝己。
周りを見ると、男共が一斉にそっぽを向いた。
「お前、気を付けろよ」
「うむ。……だが、勝己が護ってくれるのじゃろう？」
「ったりめぇだ」
お、照れなく成って来たな。
最寄り駅に着いた。
電車は初めてじゃ。試験のときは谷斎殿に車で送ってもらっていた故。
勝己に色々教えてもらい乍ら無事電車に乗る事が出来た。
電車には会社員と思われる男性でぎゅうぎゅう詰め。
「ん……っ」
電車とは凄いのじゃな。
まあ、出勤時間と被っているのもあるじゃろうが。
誰かの背中に押され、壁際に居る勝己に身体を押し付ける形に成る。
「すまぬ……っ」
「チッ……。おい、場所代われ」
身体を回転させ、私と場所を代わって私の盾と成る様に立つ勝己。
「ありがとう」
「お前は黙って護られてりゃ良いんだよ」
至近距離で言われた其の言葉に、胸が高鳴る。
暫く、其の距離で電車が動く。
互いに会話は無く、顔も合わせない。
そんなこんなで雄英高校の最寄り駅に着いた。
改札を出て、同じ制服の者も見え始めた。
組分けを確認し、教室へ向かう。
「広いのう……」
やっと教室に着き、勝己が開ける。
中に居る生徒達の視線が集まった。
「チッ」
席を確認し、一番後ろの一つ飛び出た席に私の鞄を置き、自分の席に座った。
そして、机に足を乗せた。
全く彼奴は……。
私が注意しに行こうとすると、如何にも真面目そうな生徒が注意をした。
「机に足を掛けるな！」
「あぁ〜？」
「雄英の先輩方や、机の制作者方に申し訳ないと思わないのか！」
「思わねぇよ！ テメェどこ中だぁ?! 端役が！」
相変わらず口が悪いのう……。
む。
出久が来たな。
出久も此方に気付いた様で、微笑んでおく。
そして席を立ち、勝己の下へ。
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霧宮椿(プロフ) - 続き待機しています！姐さんカッコいいです！応援しています！ (2022年11月26日 8時) (
レス) @page38 id: 95d482cbd7 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 涙腺崩壊。特に夜叉とのシーンで泣いた (2019年7月31日 13時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 星姫さん» ありがとうございます！ 長らく更新できませんでしたが、他の作品含め、少しずつ更新して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - マリーさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。少しずつ更新を再開して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
星姫(プロフ) - 作品とても面白いです。更新楽しみにしています！ (2019年1月6日 2時) (レス) id: d716fdff91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳凰寺未来 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月28日 11時
