第二十四話 ページ25
「なんぞ、って何だ。俺は、お前に、紅葉に惚れたんだ。容姿だけじゃねぇ。中身にも惚れた。お前はもっと自信持てよ。デクみてぇにビクビクすんな」
「……お前は自信を持ち過ぎじゃがな」
「あぁ?!」
まあ、前よりは良く成ったか。
『……紅葉、ごめん』
半透明の金色が現れる。
「何、大丈夫じゃ。私を貰ってくれるという莫迦な奴が居るからの」
『でも……』
「大丈夫と言っとろうが。うじうじするでない。其れでも私の異能かえ？」
『……だよね、うん！ ワタシは紅葉の異能！ 最強なんだ！』
くるくると室内を元気に飛び回る金色。
「其の息じゃ」
其れから事情聴取をし、数日後。痕は残ったが、完全に塞がった傷を見て、驚き乍らも退院して良いと許可をくれる医師。
「御世話に成りました」
荷物を持ち、医師達に一礼する。
「うん。お元気で。もう来ちゃダメだよ」
「其れは約束出来ませんが……。努力します」
苦笑し、頷く医師。
「爆豪君とお幸せにね！」
「否、未だ付き合っても居ませんよ」
「え、そうなの……？」
返事をしていないからな。
「では、失礼します」
医師達の見送りを背に、着物の裾を引き摺り、唐傘を差して歩き出す。
「おい！」
「む、勝己か」
前から走って来る勝己。
制服に鞄を持った儘。其れに来た方向からして、學校から走って来たのか。
「どうした？」
「迎えに来てやったんだよ！ 貸せ！」
荷物を取られる。
「そうかえ。ありがとう」
歩き乍ら、数日前の勝己の言葉を思い出す。
「紅葉は俺が貰う。傷があろうが無かろうが、カンケーねぇよ」
「なんぞ、って何だ。俺は、お前に、紅葉に惚れたんだ。容姿だけじゃねぇ。中身にも惚れた。お前はもっと自信持てよ。デクみてぇにビクビクすんな」
…………。
不覚にも、嬉しいと思うてしもうた。
嬉しいと思うということは、私は勝己が好きなのか……？
私が人殺しだと知っても、離れずに側に居てくれた。
金色のときも、助けてくれた。
そして、あの言葉……。
急に、顔が熱く成ってきた。
其れを隠す様に、唐傘を傾ける。
嗚呼、此所迄一人の小僧に振り回されるとは……。
──紅葉、紅葉！ 紅葉はもう自覚してる筈だよ！ 前世のこととか、そんなの関係なく、自分の気持ちに素直に成って！
金色……。
自分の気持ちに、素直に成る……。
「……んだよ、急に立ち止まって」
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霧宮椿(プロフ) - 続き待機しています！姐さんカッコいいです！応援しています！ (2022年11月26日 8時) (
レス) @page38 id: 95d482cbd7 (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - 涙腺崩壊。特に夜叉とのシーンで泣いた (2019年7月31日 13時) (レス) id: 285fa6164a (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - 星姫さん» ありがとうございます！ 長らく更新できませんでしたが、他の作品含め、少しずつ更新して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰寺未来(プロフ) - マリーさん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。少しずつ更新を再開して参りますので、今後とも宜しくお願い致します！ (2019年1月6日 14時) (レス) id: 6e4c19818c (このIDを非表示/違反報告)
星姫(プロフ) - 作品とても面白いです。更新楽しみにしています！ (2019年1月6日 2時) (レス) id: d716fdff91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳳凰寺未来 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年1月28日 11時
